強いストレスにはヘヴィメタルが良い!? 人気脳科学者・中野信子先生が教える「音楽でハッピーになる方法」
“音楽と脳”について研究する脳科学者、中野信子先生が、人生がよりハッピーになる9の法則を伝授! 音楽の楽しみ方が、より前向きに変わるはず。 【写真】ストレス・不安の緩和も!音楽が心と身体に与える「6つのメリット」
“決断”をするときは、重低音がきいた曲を聴く
アメリカの大学の研究によると、ベースが強調された、重低音が効いた音楽は、決断を後押ししてくれます。メタル、ポップス、ヒップホップ、レゲエなどが当てはまりますが、中でも映画『ボヘミアン・ラプソディ』で再び脚光を浴びているクイーンの『We Will Rock You』はいちばん効き目があったそう。
記憶力や認知力を上げるには、楽器を演奏する
楽器の演奏スキルを習得することで、認知機能をつかさどるさまざまな脳内の部位が活性化され、皮質の量が増えたという研究報告があります。大人にもその傾向が見られ、言語習得、分析、リスニング、記憶、語彙といったこれらすべての能力を向上させるのに効果的です。
ストレスが強い場面では、ヘヴィメタルかロックを聴く
音楽のストリーミング配信サービス「Spotify」と医師向けのインスタグラム「Figure 1」がアメリカの医師をリサーチしたところ、90%の外科医が手術中に音楽を流していると答え、最も人気のジャンルは「ロック(49%)」。なかでもメタリカ、レッド・チェッペリン、AC/DCなどの人気が高かったとか。「ロックを流すと快適になり、患者に集中できる」というコメントも見られました。 また、イギリスのウォーリック大学の研究チームが、成績の優秀な学生を選んでヘヴィメタルに関する調査を実施したところ、ヘヴィメタルにはストレス発散や欲求不満の解消に役立つ効果が認められたのです。プレッシャーを一次的に忘れ去ることができ、ストレス耐性を上げることがわかりました。
心の傷、体の傷を癒したいなら、ライブ会場へ行く
カナ切り声のような可聴域が高い音は、毛穴から取り込まれ、また低音は“振動覚”で受け取られます。つまり音は触覚でも伝わるのです。肌を刺激されると幸せホルモンのオキシトシンが分泌。オキシトシンは不安を抑える役割を果たしたり、ストレスホルモンが分泌されるといち早く、ストレスホルモンを下げる働きをもっています。 それから、生理的食塩水を注射するよりもオキシトシンを注射した方が、傷の治りが早いという研究結果も。オキシトシンが分泌されやすいライブ会場は、心の傷や体の傷が治るのが早くなると言えます。