「ミワはスタミナがあり、きつかった」張本美和の敗戦前、中国選手たちが行った“対策会議”…日本の16歳はなぜ“中国最大のライバル”になったか?
じつは孫穎莎が対策を手伝い…中国勢が敷いた“張本包囲網”
その決勝を終えたあと、孫穎莎は張本についてこのように話していた。 「美和はこの数年、全体的な実力も、試合を理解する力も大きく向上していると思います。美和はスタミナがあり、終盤は体力的に少しきつい感じがありました」 言葉に込められた張本への評価にとどまらず、中国では最強のライバルは張本であると認識されていることは、中国のメディアが伝えるところだ。 このWTTファイナルズ福岡では、張本との対戦を前に、初戦で敗れていた孫穎莎が王芸迪に対策を立てる手伝いをしたという。そこにも張本の実力への評価がうかがえる。 それらを考えてみれば、王芸迪のほっとしたような表情に込められた思いもさらに伝わってくるし、張本が悔しさを示したのも、地力の違いを感じつつ、でも届かないところにいるわけではないことを感じているからではなかったか。
“満足しない”張本が語ったある目標
あらためて張本の足跡を振り返れば、その成長は目を見張る。 昨年、一気に頭角を現すと、今年1月の全日本選手権で準優勝を遂げ、パリ五輪団体の代表に選出された。 そのパリ五輪では、団体戦のシングルスに5試合出場して3勝2敗、ダブルスに1試合出場し1敗の成績を残している。 「(満足度は)100です。目指していた金メダルは獲ることができなくてほんとうに悔しいですけど、自分のいちばんの目標、最後まであきらめずにプレーすることを達成できて、すごい楽しい大会になりました」 初めての大舞台で中国をはじめとする海外諸国との試合は大きな経験となった。 オリンピックが終わったあとは、Tリーグ、海外遠征と、ハードなスケジュールをこなし、成果を残してきた。充実の1年を過ごしてきたと言っていい。 むろん、張本は満足していない。 「来年は、まず(1月の)全日本選手権で優勝することが目標です。国際大会も増えるので、体調に気をつけながら参加したいです」 まだ手にしていない日本一を、そして国際舞台でのさらなる飛躍を期している。 その先に見据えるロサンゼルス五輪での金メダルを目指し、進んでいく。
(「オリンピックへの道」松原孝臣 = 文)
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