【独自解説】岸田首相は「大きな勝負に出た」…父も創設者メンバー「宏池会(岸田派)」解散は“賭け”?他派閥トップらには相談せず、支持率アップ狙うも…自民党にうごめく思惑
Q.一方、二階派は解散すると思いますか? (田﨑氏) 「解散する可能性はもちろんありますが、会長には二階俊博さんという非常にグリップの強い方がいて、安倍派のように会長がいない状態ではないので、いろいろ皆さんで話し合うのではないかと思います」
麻生氏・茂木氏の怒りが全て岸田首相に…それでも“解散決断”は「大きな賭け」か
Q.岸田派の不記載は約3000万円、一方で安倍派が約6億7000万円、二階派が約2億6000万円ですが、“3000万円の岸田派”が解散するとなれば、金額の桁が違う他の2派閥は「当然、解散ですよね」という雰囲気になりますよね? (田崎氏) 「その通りです。ただ、派閥の親分がなぜ派閥を維持するかというと、自民党内での権力闘争において、一定の基盤になるからです。麻生さんや茂木さんは派閥を維持したいという考え方が強く、そこはせめぎ合いになるだろうと思います。今は、その怒りが岸田さんに向かっているような状況です」 Q.麻生さんらがすごく怒るのをわかっていて「岸田派解散」を決断したのは、岸田首相が“勝負に出た”ということですか? (田﨑氏) 「大きな賭けに出たのだと思います。秋の自民党総裁選で、麻生派・茂木派の両派が岸田さんを再選させる可能性はだんだん低くなっています。でも、ここで勝負に出て、内閣支持率をアップさせることができれば、またそこで浮遊力が生まれるので、さぁ、どっちだ?と今、岸田さんは勝負を賭けているところです」 Q.自分がまず派閥を解消すると言って、他派閥も解消せざるを得ないという状況を作ったことによって、支持率が上がってくるかこないか、これが総裁選に関わってくるということですか? (田﨑氏) 「そうです。そんな簡単に支持率が上がるかなとは思いますが…。岸田さんは、今までは麻生さんや茂木さんに支えられて、いわゆる“三頭政治”ということで政権運営してきました。しかし、『派閥主体では国民の理解を得られない』となって、“国民の支持を期待する政局運営”に変えたわけです。岸田さんは、こういうことに慣れていないですから、果たして上手くやれるかなと思いますが」 Q.もし今派閥を解消しても、勉強会ができ、グループができ、自然発生的に派閥的なものができていくのではないかと思いますが、いかがですか? (田﨑氏) 「熱さが喉元を過ぎれば、また集まるんじゃないかとみる人もいます。しかし、年内に衆議院解散総選挙が行われるかもしれませんし、2025年7月には参院選挙があるというふうな政治日程の中で、また派閥を作りますというのは非常にやりづらいと思います」
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