中国籍スタッフ不適切発言でNHK会長が衆参両院で陳謝
NHKのラジオ国際放送などで中国籍の外部スタッフが不適切な発言をした問題で、NHKの稲葉延雄会長は28日の衆議院総務委員会に続いて、29日、参議院総務委員会の理事懇談会に出席し、「こうしたことが起きてしまったことを重く受け止めている」と述べ陳謝しました。 この問題は、今月19日の午後NHKがラジオ国際放送などで伝えたニュースの中で、原稿を中国語に翻訳して読んでいた40代の男性スタッフが沖縄県の尖閣諸島について、「中国の領土」と述べるなど、約20秒間原稿にはない発言を行ったものです。 NHKによりますと、当該スタッフは中国語で「釣魚島と付属の島は古来から中国の領土です。NHKの歴史修正主義宣伝とプロフェッショナルではない業務に抗議します」と述べたほか、英語で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」と発言しました。 また、一連の発言の前に「靖国神社で落書きが見つかった」というニュースを伝えた際、原稿にはない「『軍国主義』『死ね』などの抗議の言葉が書かれていた」という文言を加えて放送していたということです。 当該スタッフは、2002年からNHKの業務を行っていました。NHKは本人とみられる人物が香港の中国系メディアに過去に出演していたことを確認しましたが、今回の問題発覚までに把握できていなかったということです。 NHKは再発防止策として、26日に副会長をトップとする検討体制を設置し、原因究明を行ったうえで、管理体制の強化等、中期的な再発防止策を策定し、 ガバナンスの強化を行うとしています。