産婦人科や泌尿器科の検査でも恥ずかしくない「パンツ」開発 島根大が地元企業とタッグ「全国の病院に広がって」
下半身が露出した状態が続く産婦人科や泌尿器科の検査や治療で、患者の「恥ずかしさ」を少しでも軽減したい―。 【写真】男性も知ってほしい「フェムテック」、基礎知識から現在地まで 企業幹部が指摘する「ニーズとのズレ」、吸水ショーツで世界初の試みも
病気などに苦しむ患者にさらにストレスが加わる状況を何とかしようと、島根大が地元企業とタッグを組み、陰部をスカート状の不織布で隠せる検査パンツを共同開発した。「全国の病院に広がってほしい」と普及を呼びかけている。 不妊やぼうこうの検査などは、あおむけになった患者が台に脚を乗せた状態で行われることがある。 これまで専用品はなく、島根大病院では尻部分に穴が開いている大腸検査用パンツを前後逆に着用してもらうことで代用。看護師から羞恥心を心配する声が上がっていたことから、新たに開発することにした。 新たなパンツは島根県出雲市のアパレル製造会社「松井島根ファクトリー」と約1年半かけて共同開発を進め、2023年10月に完成。 肌の色が透けにくいよう紺色の不織布を使用し、スカートのような形状とした。検査や治療の時だけ前当てをめくって医師の視野を確保する構造で、露出を短時間に抑えられる。使い捨てでサイズは大小2種類あり、男女ともに使用可能だ。
開発に当たって患者122人に試着してもらい、羞恥心の程度を調査。6割以上が羞恥心を「全く感じなかった」「あまり感じなかった」と答えた。 島根大病院の産科婦人科だけでも年間で少なくとも千枚程度の需要を見込む。同大地域未来協創本部の中村守彦教授(産学連携学)は「実際に使っていきながら改良も重ねたい」と述べた。 1枚550円。問い合わせは島根大地域未来協創本部、電話0853(20)2912。
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