『マウンテンドクター』は命の尊さを伝える一作に 杉野遥亮がふたたび山を目指す理由
夏山シーズンを迎えた。近年、登山人口は増加しており、それにともなって遭難件数も高い水準で推移している。3000メートル級の高山から多くの観光客が訪れる高尾山まで、山の事故や災害のニュースは毎週のように耳にする。 【写真】整形外科と山岳診療科を兼務することになる宮本歩(杉野遥亮) 7月8日に第1話が放送された『マウンテンドクター』(カンテレ・フジテレビ系)は山岳医療がテーマだ。主人公は整形外科医の宮本歩(杉野遥亮)。日本有数の高峰が連なる北アルプスのふもとの信濃総合病院へ赴任し、山岳診療科の医師を兼任することになった。 はじめに眼下に広がるパノラマに圧倒された。青空を背景に残雪と木々のコントラストが画面に映える。山岳県の長野県内で撮影は行われており、歩の勤務先である病院や市内のロケーションが登場する。なかでも山頂や登山道、山小屋のシーンは、後立山連峰の唐松岳や八方尾根、白馬大雪渓への起点である猿倉荘など現地の映像が使用されており、山好きにはたまらない仕様となった。 拡大版の第1話では、山岳医として新たな一歩を踏み出す主人公のバックグラウンドが描かれた。歩にとって山は忘れたくても忘れられない場所だ。年の離れた兄の翔(時任勇気)は医師で、歩に山登りの楽しさを教えてくれた存在。しかし、その兄と会話をすることはできなかった。その理由は第1話の終盤で明かされるが、ある出来事をきっかけにして歩は医師を目指すことになった。 老若男女が訪れる山を扱うだけあって、本作には名うての俳優陣が顔をそろえている。国際山岳医の資格を持つ先輩医師・江森岳人に大森南朋、歩を見守る院長の松澤周子を檀れいが演じる。また、歩が加わるMMT(Mountain Medical Team)所属の山岳看護師・鮎川玲に宮澤エマを起用。岡崎紗絵、八嶋智人、トラウデン直美がチームメンバーを構成する。歩の同級生で焼き鳥店店主の真吾役に向井康二(Snow Man)を抜てきするなど話題性も豊富だ。山小屋「鮎川山荘」の主人・鮎川篤史役の石丸謙二郎はベテランだが、芸能界きっての山好きとして知られる。まさに、日本百名山に勝るとも劣らない山岳ドラマのオールスターといえる。