「お得校」の中身に変化! 入り口偏差値と大学合格実績を比べるのはもう古い【最新中学受験事情】
◆高大連携が増えるわけ
大学が年内入試の枠を増やしている背景には、少子化があります。将来的な18歳人口の減少に伴い定員割れする大学も出てくると言われており、大学も危機感を募らせているのです。 そんな中、高校と大学が連携して学習や研究に取り組む高大連携や、さらに踏み込んで法人合併や系属校化する動きも活発になっています。 高大連携といっても内容はさまざま。大学の先生が出前授業をしに来てくれたり、大学の研究室を見学させてもらえたり、中には大学の授業に参加できたり、共同で研究をしたり、それがそのまま単位として認定されるところもあります。中高校生にとっては、卒業後の進路を具体的にイメージするきっかけになるでしょうし、それが今の学習へのモチベーションにもつながるのではないでしょうか。 こうした教育上のメリットのほかに、高大連携で結びつきを強くすることで、その後は指定校推薦の枠をつくる・増やすなど、双方にメリットのある形へと進む可能性も高いです。 その代表例として、「読書プレゼン入試」「オピニオン入試」「プレゼン型(リベラルアーツ入試)」など日本一入試方法の多い学校としてユニークな入試を実施している宝仙学園中学校・高等学校と、医学部を持つ順天堂大学が系属校として協定を締結し話題となりました。 経緯としては、2023年5月に高大連携協定を結び、その後2024年4月から宝仙学園が順天堂大の系属校となり、同大学の医学部への内部進学枠を持つ新コースを設置することが発表されました。 順天堂大学といえば医科大学トップクラスですが、そんな大学でも、できれば年内に入学者を一定程度、確定させたいという思惑があるのです。一方、宝仙学園にとっては、医学部進学枠のあるコースを設けることで志願者が増えることが期待されます。 このような高大連携や系属校化の動きは活発になっており、こうした動向やその中身を見極めていくことも、今後の学校選びでは重要になってきます。