『グラディエーターII』ポール・メスカル&デンゼル・ワシントンの演技論 リドリー・スコットの目を盗んでリハーサル
「役については、『ピーン! こういうことか!』と理解する瞬間が常にあるとは限らない。その段階ではまだ答えられないこともある。ただ、セットに全てを持ち込んで、そしてやるんだ。セットに入る前に、自分がやること全ての理由を知るべきではない。なぜなら、それはその場で見つけなければいけないから。今ここで(インタビューで)やっているようにね」(デンゼル)
デンゼルのこのアプローチには、ポールも100%同意する。「間違いなく、それが演技で一番楽しい部分だ。自分が“ゾーンに入っている時”に、“ゾーンに入っている”人と演技をする。そうすると本当に驚くようなことが起こる。脳の理性的な部分を失い、ただクリエイティブに、ジャズをプレイしているようになるんだ」と語っていた。その言葉通り、ポールとデンゼルの共演シーンは常に変化する力関係も相まってとんでもなくスリリング。本作のハイライトの一つとなっている。(編集部・市川遥)
映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は公開中