イタリア、ビットコインのキャピタルゲイン税を42%に引き上げへ
伊政府が暗号資産のキャピタルゲイン税を引き上げへ
伊政府は2025年予算の歳入を増やす計画の一環としてデジタルサービス税を引き上げる方針であると、同国の副経済大臣マウリツィオ・レオ(Maurizio Leo)氏が10月16日述べた。 またレオ副大臣は、ビットコイン(Bitcoin)などの暗号資産(仮想通貨)から得られるキャピタルゲイン税を26%から42%に引き上げることも発表した。 なお、デジタルサービス税の引き上げは米国からの報復を引き起こす可能性がある。イタリアの課税など欧州におけるデジタル課税の一方的な実施に対して、米国はイタリアへ関税を課すことを示唆している。なおデジタル税は、メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms Inc)、グーグル(Google)、アマゾン(Amazon)に課せられており、イタリアはこれまで4億ユーロ(4億3600万ドル)の税収を上げている。 匿名を希望するイタリア政府高官は、「政府は米国からの暗黙の承認は一切得ることなく、増税を承認した」と述べた。 「我が国の政治家はリスクを取ることを決めた」とその高官は話した。 イタリアは2019年、売上高が少なくとも7億5000万ユーロのデジタル企業を対象に、インターネット取引による収益に3%の課税を導入した。 レオ副大臣は、税金を適用するために必要な最低条件を撤廃すると述べた。ただし、引き上げられた税金から期待される収入の詳細は明らかにしなかった。 イタリアは、約2000億ドルの企業利益に対する課税権を、関係する企業が事業を行っている国に再配分することを目的としたグローバル最低税の第一の柱の承認を受けて、デジタル税を廃止する予定だった。 しかし、この国際法は米国、インド、中国の間の意見の相違で行き詰まり、今年イタリアが先進7カ国(G7)議長国として協議を再開しようと努力したにもかかわらず、成果はなかった。 イタリアを含む5つのEU諸国と米国の間で結ばれた合意は、ワシントンの脅かされた関税の凍結をもたらしたが、6月に正式に期限切れとなった。 ※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。 Italy stiffens terms of digital services tax in 2025 budget (Editing by Gavin Jones and Gareth Jones)
大津賀新也(幻冬舎 あたらしい経済)