日本製鉄、4月契約分から継目無ステンレス鋼管10%値上げ。1年1カ月ぶり・中径サイズは最大30%
日本製鉄は、石油化学プラントや半導体装置などに用いる継目無(シームレス)ステンレス鋼管の販売価格を引き上げる。上げ幅は原則10%で、需給のタイト感が強い中径品については最大で30%値上げする。いずれも4月契約分から適用する。資材費や労務費の増加が深刻な上、「2024年問題」に起因する物流費上昇の負担も重く、安定供給を続けるには価格改善でコスト増加分を吸収する必要があると判断した。 対象は店売り、ヒモ付きの製品全般。2月から需要家への申し入れを開始した。値上げは約1年1カ月ぶり。需給のバランスや原料・物流費などのコスト動向を見ながらさらなる値上げも検討する。 主に外径8インチ(216・3ミリ)以上となる中径品は、需要に供給が追いつかない状況が続いており、上げ幅を大きくした。今回の値上げ対象外だが同じラインで製造している高合金油井管の生産水準が高いことも考慮した。高合金油井管は天然ガス開発やCCS(二酸化炭素の地下貯留)向けで需要が伸びている。