デ杯での現役最後の試合に臨むナダルが意気込み!「この1週間はどんな形であれ楽しみたい」<SMASH>
間もなく開幕する男子テニス国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ・ノックアウトステージ」(11月19日~24日/スペイン・マラガ/ハードコート)で引退する元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現155位/38歳)がスペインテニス連盟(RFET)のインタビューに回答。その中で現役ラストマッチに向けての意気込みを示した。 【画像】ナダルはじめ、パリオリンピックで躍動した男子選手の厳選ショット! スペイン代表はナダルと、今季だけで四大大会2勝を挙げた21歳のカルロス・アルカラス(3位)に加え、36歳のロベルト・バウティスタアグート(同46位)と33歳のパブロ・カレノブスタ(同201位)、38歳でダブルス3位のマルセル・グラノラーズを招集。現地19日に行なわれる準々決勝ではオランダと対戦する。なお一部メディアではパリ五輪同様ナダルとアルカラスがダブルスを組む可能性があると報じられている。 17歳だった2004年にデビスカップでデビューし、当時世界2位のアンディ・ロディック(アメリカ)を破った経験を持つナダルは、今回のインタビューで初めて国を代表して戦った時のことを「大きな喜びだった」と回顧。「僕がここにいられるのは特別なチャンスだと思っている」と、最後に思い出の舞台でプレーできることへの高揚感を抱いている様子だ。 しかしパリ五輪以降ツアー公式戦で1度もプレーしていないナダルは、自分でも状態が万全ではないことはわかっていると語る。「練習でどうなるかを見て、本当にシングルスで勝つチャンスがないと判断すれば、僕から出場を望まないと伝えるつもりだ」とコメント。一方で最終的な判断は代表監督のダビド・フェレール氏(元3位/42歳)に仰ぐとし、こう続けた。 「ダビド(フェレール氏)と話をして、彼は僕に『信頼しているよ』と言ってくれた。それに対して僕も可能な限り最高の準備をすると伝えたよ。これからどうなるか見ていきたい。競技からしばらく遠ざかっていたのは事実だが、この1週間はどんな形であれ楽しみたい。この長く素晴らしい人生の一章を閉じる最後の瞬間、喜びを味わいながら、そして現実も受け入れながら過ごしたいと思う」 そして最後には感謝の言葉を交え、どのような形でもチームに貢献できればと締めくくった。 「僕らが優勝する可能性はもちろんある。いつだってその可能性はあると思う。実際のところ、今回は速いコートだから条件は厳しいけど、何が起こるかは誰にもわからない。ただ僕としては、もうこれ以上望むものはない。 これまでの全てのことに対して、感謝と満足の気持ちでいっぱいだ。もちろん、チームで良い結果を出して、もう一度母国が優勝できるチャンスがあれば、とは思う。僕自身はプレーする形でも、ベンチから応援する形でも構わない。この1週間を楽しみにしている。その上で何が起こるかを見てみたい」 おそらくファンは複雑な思いでナダルのラストマッチを見届けることになるだろうが、とにかくナダルが理想的な形で最後の花道を飾れるよう願うばかりだ。 文●中村光佑