デジタル上で勝手に作ったブランド服、アバターに着せると違法? 不正競争防止法が改正
知的財産のデジタル化を踏まえ、今年4月から、改正不正競争防止法が施行されました。ブランド品を模倣した「服」をメタバースなど仮想空間でアバターに着せると、違法になる可能性が明示されています。改正のポイントを解説します。 【動画】なぜ事業承継が大切なのか専門家に聞いた。
■一般ユーザーも気をつけた方がいい点
改正のポイントは大きく2点です。 1.ブランド・デザインの保護強化 商品形態の模倣行為は、メタバースなどのデジタル空間上でも不正競争行為の対象となりました。 2.国際事業展開に係る制度整備 日本企業の外国人従業員による海外での贈賄行為が処罰対象となり、日本企業の営業秘密が、国外で侵害された場合でも日本の裁判所に訴訟できるようになりました。 このうち、①は、知的財産権を意識する機会の少ない一般ユーザーにも関わる可能性があります。
◆ブランド服など、商業デザインも保護の対象に
不正競争防止法は従来、デジタル上の経済取引は想定していませんでした。 しかし、デジタル技術の進展で、オンライン取引が活発化し、保護の重要性が高まりました。 今回の改正では、他社の商品を模倣したデジタル上の商品が違法となります。 一般ユーザーが気をつけなければならない点は、ブランド品を真似たメタバース上のアバター用衣服や小物で、企業側から差止請求権等を行使される可能性があります。 保護対象は、「衣服など流行の早い商品」で、保護期間は「販売開始から3年を経過するまで」となっています。