「払ったはずなのに未納?」転職や結婚・離婚で起こる「年金記録ミス」…放っておくと損する“年金の落とし穴”【元国税専門官が警告】
転職や早期退職した場合の「シミュレーション」も可能
「ねんきんネット」はねんきん定期便に書かれている情報をネット上で確認できるもので、スマホやパソコンから「20歳から今までのすべての年金記録」をいつでも確認できます。 ねんきんネットでぜひ使ってほしいのが、「将来の年金額を試算する」という機能。ここで今後の職業や収入などの情報を入力すると、将来もらえる年金のシミュレーションが表示されます。転職や早期退職を検討するときにシミュレーションしておくと、キャリアチェンジが年金にどう影響するかの概観を知ることができます(就業期間や賞与などの設定が可能)。
「役職定年」で年金が下がることも……
昨今は大企業の多くで「役職定年」の導入が進んでいて、55歳などの年齢に達すると管理職から外れて年収が下がることも。役職定年は年金受取額に反映されます。 たとえば、役職定年前の平均標準報酬月額が50万円だった人が、55歳で役職定年を迎えて、以後の平均標準報酬月額が35万円に減ったとします。この場合、役職定年がなかった場合と比べると、生涯年収は(50万円-35万円)×12ヵ月×5年で、900万円減ります。 この場合、厚生年金が年額で約5万円減少。ということは、仮に年金を30年受け取るなら150万円ほど減ることになり、老後に向けて準備すべき金額が増えてしまいます。これを補うには、副業などで収入を増やすか、定年後も働いて収入を確保する必要があります。 なお、ねんきんネットを最初に使うときは次の3つのいずれかで登録を行います。 (1)マイナンバーカードを使ってマイナポータルからアクセスする (2)ねんきんネットのサイトでアクセスキー*などを入力し、登録する *アクセスキーはねんきん定期便に記載されているもので、ねんきん定期便の到着後3ヵ月間の有効期限があります。 (3)ねんきんネットのサイトで基礎年金番号などを入力し、登録する このうち(1)(2)は必要な情報を入力すればすぐにねんきんネットの情報を見られますが、(3)は後日郵送で送付されるユーザIDが必要になります。 小林 義崇 元国税専門官 マネーライター
小林 義崇
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