タイドプールで海の生き物観察してみませんか?磯遊びの楽しみ方を水族館の飼育員が指南
磯遊びを安全に楽しむための3つの法則
◆大潮の前後3日に出かけるべし 一日の潮位差がもっとも大きい大潮(月2回程度)の前後3日の干潮時を狙う。潮見表カレンダーで行き先の大潮の日時をチェック。 ◆カキやフジツボの上は歩くべからず 岩の上のカキ&フジツボ類の殻は縁が鋭くなっていることが多いので、踏まないように注意。濡れた藻も滑りやすいので避けるのが無難。 ◆トゲのある生き物は素手で触るべからず ガンガゼ(ウニの一種)をはじめ、カサゴなどのトゲのある魚は、刺さると痛いうえに毒があることも多いので直接触らない。
Step 1 岩の下を探す
まずは大きめの岩をめくり、岩の下や裏側を探す。水があまりないところでも、貝類やカニ類、ヒトデなど、取り残された生き物を見つけられる。 ・コイトマキヒトデ 見過ごしがちなコンペイトウのようなミニサイズのヒトデ。ヒトデ界でももっとも身近なイトマキヒトデの仲間。 ・ホンヤドカリ いちばんポピュラーなヤドカリ。歩脚の先端の白い帯で見分けられる。先端が黄色いのはイソヨコバサミ。 ・イソカニダマシ 甲幅が1cmほどで、こう見えてヤドカリの仲間で、ハサミと足は合わせて8本。磯遊びの名脇役。 ・ヒライソガニ 全国でもっとも普通に見られるカニ。 甲は平らで色は貝殻などに擬態する。甲をつかむと挟まれない。 ・イソクズガニ スピードも攻撃力もない分、海藻を纏い、カモフラージュに特化。甲が洋梨型でどことなく愛嬌がある。
Step 2 浅瀬は網を使って捕まえる
網を海底にぴったり当ててセットしたら、網に向かって手でそっとエビや小魚を追い込む。流れがある場合は下流側に網を置く。 ・イソスジエビ 体が透明なので、食べたものが透けて見え、観察すると面白い。成長しても3~4㎝だが、食べることもできる。
Step 3 深場は水中眼鏡で海底観察
波の影響を受けない深場なら、シュノーケリングマスクと水中眼鏡で海底観察も面白い。透明ケースで覗くだけでクリアな海底世界を楽しめる。 ・アカクモヒトデ 長い腕をクネクネと使い、敏速に海底を移動。種類も多く、なかには腕の長さが60cmになるものも!? ・コシダカウニ/ツマジロナガウニ どちらも短いトゲで覆われているが、先端が尖っておらず手で愛でられる。ナガウニは楕円形の形から付いた名。 ・トラフナマコ マダラ模様が特徴。キュビエ器官(外敵から身を守るための器官)が発達していて、刺激を与えると逆襲を受ける。 ※構成/大石裕美 撮影/利根川幸秀 (BE-PAL 2024年9月号より)
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