【JBC2024】昨年リーディングの飛田愛斗騎手に聞く 佐賀競馬場はどんなコース?
初のJBC開催に向けて盛り上がる佐賀競馬場。年2回、佐賀記念JpnIIIとサマーチャンピオンJpnIIIでJRA馬を迎えた重賞が行われているが、どんなコースなのだろうか。 【写真】グランブリッジこれまでの軌跡 まず基本情報として1周1100m、直線はゴールまで200mの小回りコース。1周距離や直線の短さが似た園田競馬場や名古屋競馬場と比べ、差し馬の好走率がやや高い。それには騎手が作り出すよどみないペースも関係している。デビューから地方競馬史上最速で100勝を達成し、昨年は21歳にして初の佐賀リーディングに輝いた飛田愛斗騎手はこう話す。 「最もレースが多く行われる1400mでは1コーナーが速くて、2コーナー過ぎからまたペースが上がり、そのままゴールに向かっていく感じです」 1400mはJBCスプリントが行われるコース。騎手たちがどう乗るかによってペースが変わってくるだろうが、地元騎手同士でのレース同様にある程度流れるようなら、小回りコースでも差しが届くかもしれない。 馬場傾向も大きな要因となる。佐賀競馬では今夏に砂を入れ替え、8月10日のレースから使用。9月下旬までは先行有利なレースが続いたが、10月1日に砂を補充したことで、直後は時計が2~3秒かかるようになり、「馬格のある馬の方がいい」(飛田騎手)と変化した。そうした中で、一つポイントとなるのは、雨が降った場合の傾向だ。 「水の浮く馬場になると、前が有利です。内が使える日も多くなるのと、非力なタイプの馬でも上位に入るようになります」 これらの情報を元に、11月4日JBC当日は第1レースから上位に頻繁に入る馬の脚質や騎手などをチェックすることで、おおよその傾向が掴めるだろう。 JBCレディスクラシックが行われる1860mは昨年新設されたばかり。向正面に入ってすぐの地点からスタートして、1周半するコースだ。まだ17レースしか実施されていないが、勝利経験のある飛田騎手は「主張していけばわりとポジションを取れるコースだと思います。僕が勝った時は1周目スタンド前でペースが緩みましたけど、JBCではJRAの馬がいるのでそんなに緩まないと思います。序盤にポジション争いをした後はある程度流れて、向正面から動き出すんじゃないですかね」 JBCクラシックは似た距離の2000mでの実施。2コーナーの引き込み線からのスタートとなるが、「1860mとコース形態は大きくは変わりません」と飛田騎手。 「地元馬では長い距離では逃げた馬はあまり勝てないイメージですけど、JRA馬ならどうでしょうか。佐賀の砂は痛くて、不良で水を含むととんでもなく痛いんですよ。そりゃあ、馬も顔に砂を被ったら嫌でしょうって思うくらいなので、JRA馬は砂を被らず運べる方がいいのかもしれません。でも、3頭外を回ってしまうと、バテて直線まで体力が持ちません」と、佐賀ならではの特徴を挙げた。 飛田騎手は九州の出身。佐賀競馬場からほど近い久留米市内で叔父が飲食店を経営し、常連の中に佐賀競馬の調教師がいたことが騎手になる一つのきっかけだった。そんな地元で初めて開催されるJBCに「嬉しいです」と笑顔を見せる。「やるぜ、JBC。」のスローガン同様、飛田騎手も気合いのこもったレースを見せてくれるだろう。 ※この記事は2024年10月25日までの情報をもとに執筆されたものです。 (文・大恵陽子)