昭和13年に建てられたモダン建築が新たによみがえる。神戸居留地を代表する近代建築にビズビムの新店舗がオープン
神戸の目抜き通りである神戸海岸通りの歴史的建築物・チャータードビルに、「WMV VISVIM KOBE」がオープン。 【内観写真】内装には美しい色合いのふすまを取り入れ、手仕事による温もりを感じさせる特別な空間が完成した。 1938年に竣工したこのビルは、英国チャータード銀行の神戸支店として建てられ、神戸居留地を代表する近代建築のひとつ。時代を感じさせる重厚な石材や、長い年月の痕跡が見られる木製の大きな回転ドアなど、空間を構成する多くの要素は竣工当時のものをそのまま使用している。 2階部分が吹き抜けになっており、開放感あふれるメインフロアには大きな縦長の窓が数多く設けられ、優しい自然光が店内を包み込む。 古き良きものには手を付けず、なるべく空間に活かしていくというアプローチは、デザイナーである中村ヒロキ氏の哲学が色濃く反映されたものと言える。 内装には、美しい色味と独特な木目が特徴であるアフリカ産木材で作られた什器、淡い薄緑色の大谷石を重ねたカウンター、型摺染めで市松模様に仕上げた襖などを揃えた。 いずれも天然の素材を活かすように施された職人の技を見ることができ、中村氏が大事にする「手仕事」ならではの温もりを感じられる空間となっている。
関西初出店となる業態も登場
店内には、「visvim」やウィメンズラインである「WMV」をはじめ、関西では初出店となる3業態の品々をラインナップ。 “本藍染め”や“泥染め”などの天然染色を用いたプロダクトを展開している「Indigo Camping Trailer」、ミリタリーやワークなどユーティリティウェアを再解釈した「CONTRARY DEPT」、コーヒーだけでなくスムージーなども楽しめる「little cloud coffee」を新たに展開。幅広いアイテム構成で、ブランドの世界観を余すことなく体感できる。 これまでの店舗とは趣の異なる建築物と什器、インテリアが見事に調和し、店内を見て回るだけでも十分に楽しめる。神戸におけるファッションシーンの新たなランドマークとなるのは間違いない。ファンならずとも足を運んで、その世界観を味わってほしい。