【大学野球】最後の期待を込めて託された背番号「25」 リーグ戦初本塁打を放った明大・杉崎成
「三冠王を獲りたい」
田中監督は杉崎に「最後の最後に期待を込めて」背番号「25」を託すとともに、東大1回戦では四番に起用した。0対0のまま迎えた9回表、明大の攻撃。主将・宗山塁(4年・広陵高)のソロ本塁打で待望の先制点を挙げると、打者14人の猛攻で10得点。杉崎はこの回、2度目の打席で左越え2ランを放った。うれしいリーグ戦初本塁打で、背番号「25」が、ダイヤモンドを一周した。杉崎は野球部を通じて、喜びのコメントを残した。 「高校時代やフレッシュトーナメントでホームランを打った経験はありましたが、リーグ戦の舞台では初めてだったので、率直にうれしい。前の打席で外角のボールが見えていないと思ったので、若干踏み込むイメージで打席に入ったのが、結果につながったと思う」 田中監督は冗談交じりに、三塁ベンチ内にいた学生に、こう話しかけたという。 「初本塁打か? そうだ!! 全部、フレッシュトーナメントだったからな……(苦笑)」 試合後、田中監督は「何とか、形になってきた。(田中監督の1学年後輩の)広澤にも良い報告ができます」と目尻を下げた。杉崎は今秋の目標をこう語る。 「最終回はいいイメージで打てた(9回表の第4打席で三ゴロ内野安打、打者一巡となった第5打席で本塁打)ので、ここから成績を残して、三冠王を獲りたいです」 四番が打てば、チームは勝つ。「未完の大器」と言われた右のスラッガーが、学生ラストシーズンに素材を開花させた。2023年春以来のV奪還を遂げるため、すべてを出し切る。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール