「第三の居場所」づくりで連携 B&G財団が9千万円助成 徳之島町
B&G財団(東京都港区、前田康吉会長)は14日、鹿児島県徳之島町に対し、同町の「子ども第三の居場所」整備に関する助成決定書を授与した。施設整備のため、最大9320万円を助成する。同町役場で授与式があり、町内の教育関係者ら約50人が出席。同財団の朝日田智昭常務理事(50)に感謝を伝えた。 「子ども第三の居場所」は子どもたちの将来の自立支援のため同財団が2018年に始めた事業。助成を受けて整備した施設は、これまでに全国229カ所。主に不登校児童などが対象で、学習支援や生活習慣支援のほか、さまざまな体験活動などを実施する。 徳之島町の第三の居場所は、町生涯学習センター近くの町有地に整備する。木造平屋建て約120平方メートルで、定員は20人を想定。活動スペースのほかにキッチン、風呂、トイレ、相談室などを備える。平日の午前9時から午後8時まで利用可能で、常勤職員2人、非常勤職員3人を配置する。 同財団は施設開設のための5000万円のほか、開設後3年間の運営費用も助成する。 授与式で朝日田常務理事から助成決定書を受け取った高岡秀規町長は「残念ながら、わが町でもいじめや不登校、ヤングケアラーなどの問題を抱えている」と懸念を示し、「B&G財団との連携を生かしてさまざまな課題の解決に挑戦したい」と述べた。 同町とB&G財団の連携事業は初めて。朝日田常務理事は「徳之島に来て感じるのは人と地域とのつながりの強さ。島の特長を生かしながら第三の居場所を子育て支援の拠点として末永く活用してほしい」と期待した。
奄美の南海日日新聞