17歳で先生からの性暴力に苦しんだ私が思い出す「バイアグラ服用後」の悪夢
すっきり進まない緊急避妊薬
緊急避妊薬に関して、2021年6月から薬局での販売が議論され、厚生労働省がパブリックコメントを募集した、という経緯があった。4.6万件もパブリック・コメントが集まったが、現状どうなっているのだろうか? 「そうなんです。なんと4.6万件ものパブリック・コメントが集まりました。パブリック・コメントというのは、行政機関がさまざまな対策などを定めるときに、内容を公表して国民や市民から意見や情報を募集するというものです。国はさまざまなパブリック・コメントを募集しているのですが、4.6万もの意見が集まったパブリック・コメントは異例中の異例だったのです。しかも、98%が“緊急避妊薬を薬局で販売してほしい”という意見でした。 こういったパブリック・コメントの後押しもあり、2023年11月28日、薬局での試験的販売が始まりました。“やっと自体が進展する!”と私たちも長年の想いが叶うと喜んだのですが、実際には、取り扱いのある薬局は開始当初、全国で約150ヵ所……全薬局のたった0.2%程度でしかありませんでした。やっと進展すると思っていたからこそ、唖然としたというか、裏切られたような気持ちが湧きあがりました。 そして、開始から約1年、対象薬局は全国で340ヵ所にまで増えたのですが、それでも購入できる店舗はあまりに少ない。さらに、この1年の間に都内や愛知県、沖縄県などで数日から約1ヵ月間、緊急避妊薬の販売が休止されるという事態も発生しました。 そして何よりも、薬局店舗数は増えても購入に対して16~17歳は保護者の同伴が必要です。価格も7000~9000円と相変わらず高額で、店頭で薬剤師の目の前での服用も求められる。この条件では、購入したくても購入できない人が多く存在してしまうのです」 福田さんは、「誰にでもアクセスしやすい」が基本になるように、今も発信や署名活動などを通し、政府に訴え続けているという。