四角友里のにっぽん“食”名山#21「法華院温泉山荘・山小屋だんご」
四角友里のにっぽん“食”名山#21「法華院温泉山荘・山小屋だんご」
アウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんが、山やふもとの町を旅するなかで出合った「食」にまつわるエピソードを綴る連載『にっぽん食名山』。今回は、くじゅう連山・法華院温泉山荘の名物を紹介します。
ほっこりもちもち、素朴なおいしさ
九州のみならず、全国のハイカーを魅了してやまないくじゅう連山。その魅力のひとつである法華院温泉山荘の名物おやつは「山小屋だんご」です。 皮を捏ねるところから餡まですべて山荘で作られていて、味は小豆と芋の二種類。芋餡は甘さや水分によって出来が変わるので味を整えるのが難しいのだとか。どちらも食べたい欲張りな私はふたつ購入して、まずひとつめは山荘やベンチで温かいうちに。ふたつめはおやつに山々を眺めながらパクつくのですが、少し冷めてもおいしいまま。 材料は手作りならではのシンプルさで、だんご粉、塩、豆腐のみ──え、お豆腐⁉ 調べてみると、この豆腐にデンプンが固くなるのを防ぐ作用があるよう。茹でて完成したあと、保存のため冷凍し、蒸して提供するなど手が込んでいて、山荘の方の想いを感じます。 山荘ではこのお団子がグッズにも登場。マグネットや巾着などが展開され、ますます人気者に。 初夏のミヤマキリシマの時季は山荘も忙しく、「団子より花」ということで販売はお休み。けれどその後、“だんご開き”が行なわれるというエピソードからも、みなに愛されていることを感じます。 これまでの連載はこちらから。
四角友里さん
「山スカート」を日本に広めた女子登山ブームの火付け役。講演や執筆、山ウエア・ギアの企画開発に携わる。日本全国の山を旅しながら、土地の食や文化を味わうのがライフワーク。 Instagram:@yuri_yosumi。 編集◎ランドネ編集部/文◎四角友里
ランドネ編集部