「悔いは残したくない」久光スプリングスの濵松明日香が最後のアタック 「明日」担う吉武美佳も奮闘…4強敗退【黒鷲旗バレー】
次シーズンはもっと成長した姿を
優勝を果たせなかった悔しさ、同じ目標に向かって歩んできた仲間との別れ…思い思いの感情を抱えた選手たちは涙を流した。吉武もその一人だった。パワフルなスパイクを武器にライト側からの攻撃を担った気鋭のアタッカーは今大会の5試合を通じて大きく成長。デンソー戦の第4セット終盤では、相手の守備を何度も打ち破った。5連戦で疲労困憊(こんぱい)の中、アタックで42打数15得点。威力十分のジャンプサーブでも2本のサービスエースを決めた。「(強打だけでなく)相手の動きを見たフェイントもそうですし、頭をうまく使えるようになりました。心にも余裕が出てきて、ブロックの意識も良くなってきました。大収穫です」。酒井新悟監督も頼もしそうにうなずいた。 「ここぞの場面で決めきれなかった部分も多かったですし、課題が明確になりました。今日も、私が早い段階でトスを要求していたら、試合展開も変わったのではという後悔があります。(次シーズンの)リーグではもっと成長した姿を見せたいです」。振り絞った吉武の声には「熱」があった。チームのテーマでもある決定力アップには、コートに立つスパイカー陣の心の自立が欠かせない。現状での持てる力を出し切ったからこそ、新たな意欲と責任感が芽生えたのも事実。久光オフェンスの「明日」を支える吉武が「大阪の涙」を忘れることはないだろう。 (西口憲一)
西日本新聞社