医師の警告も気にしない!? 危険なダイエット法で減量したセレブたち
※この記事は、フランスのマダム・フィガロからの翻訳です。すべての研究データはオリジナル記事によるものです。 【写真】オゼンピックを使って痩せた、9人のセレブのビフォーアフター 2型糖尿病患者向けの治療薬が、ダイエット薬としてセレブの間で大流行している。オプラ・ウィンフリー、レベル・ウィルソン、イーロン・マスクは、健康への影響について医師が警告しているにもかかわらず、この薬を使用していることで有名だ。 ハリウッドではオゼンピックが大流行中だ。イーロン・マスク、ウーピー・ゴールドバーグ、オプラ・ウィンフリーら多くのセレブが、もともと2型糖尿病患者向けに作られたこの薬の誘惑に屈している。実際に、レベル・ウィルソン、シャロン・オズボーン、ロビー・ウィリアムズは、"奇跡の薬"と称されるオゼンピックまたはその派生薬であるウゴービを使用したことを公に認めている。2022年にイーロン・マスクは、ツイッター(現X)で減量の秘訣を「断食とウゴービ」と明かして、堂々と肯定派であることを名乗り出た。 一方で、SNSではアンチの声も多い。最近、体重を減らした他のセレブリティ(主に女性)は、オゼンピックを使用していると指摘され、批判の的になったことも。クロエ・カーダシアン、クリスティーナ・アギレラ、カイリー・ジェンナー、ケリー・クラークソン、ミンディ・カリング、ジュリア・フォックスらは、SNSで巻き起こっている新たなボディシェイミングの代償を払うことになった。クロエ・カーダシアンは、2023年1月、オゼンピックを使用していると非難するコメントに応える形で、「私の長年のトレーニングを軽視しないでください。週5日は朝6時に起きてトレーニングをしています。非難はやめてください」と声明を出し、疑惑を一蹴した。
オゼンピックは、魔法の薬か?
デンマークの研究所ノボ ノルディスクによって、2017年に開発されたオゼンピックは、セマグルチド(遺伝子組み換え)を主成分としたGLP-1受容体作動薬のひとつで、週1回の注射を打つ。満腹感をコントロールする消化管ホルモンに作用するため、食欲を抑制し、血糖値を調整する働きをするのだが、簡単に言えば、食事量を減らしながら、より早く満腹感を得られるため、減量を望む人の間ではダイエット薬として注目を集めている。TikTokなどのSNSで急に人気となり、一時は本来必要とされる糖尿病患者たちの薬不足を引き起こす事態に発展したこともあった。 しかし一方で、医師たちは健康への悪影響を懸念している。コメディアンのエイミー・シューマーもオゼンピックのリスクについて警鐘を鳴らすひとりだ。エイミーはアンディ・コーエンの番組で「1年前に使いましたが、薬の副作用が強く出てしまい、息子と遊ぶことすらできなくなってしまいました」と、コメントしている。 ケイト・モスの異母妹ロティ・モスは、オゼンピックのために緊急入院するほど、副作用が強く出てしまったという。「人生でこんなに気分が悪くなったことはない」と、彼女は9月12日にポッドキャスト「Dream on」で、リスナーに注射後の様子を伝えている。「水を飲めなくなりました。食べ物も液体も何も摂れなくなったのです」。極度の脱水症状に陥った彼女は、緊急治療室に到着したときには、てんかん発作を起こしたと訴える。「もし使ってみようと思うのなら、やめてください。その価値はありません」 オゼンピックを検討するなら、薬の副作用によって、健康にリスクが生じる可能性があることを、同時に知っておく必要があるだろう。主な副作用として、吐き気、食欲減退、悪心、頭痛、倦怠感、胃腸障害などが挙げられているが、重篤なケースになると、甲状腺のC細胞の腫瘍、膵炎、急性腎障害、心拍数の上昇といったリスクを増大させるとも報告されているという。そのため、多くの医師がその危険性について警告するとしても、手軽に痩せられるこの薬に魅せられる者は後を絶たないため、簡単に廃れることはなさそうだ。 text: Juliette Gurunlian (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto