折り目がつけにくい→開きやすい 投票用紙の開発は逆転の発想で 今では当たり前の即日開票が可能に
RKB毎日放送
選挙で使う投票用紙、紙のように見えて、実は紙ではないことをご存知でしょうか。 今回の衆議院選挙は10月27日に投開票されます。 【写真で見る】開きやすい投票用紙 今でこそ、即日開票が当たり前となっていますが、かつては開票作業に時間がかかるため、投票と開票は別の日に行われていました。 即日開票を可能にしたのは、紙ではない投票用紙が開発されたからでした。 ■開票作業に多くの時間がかかっていた 「せ~の」 今から41年前、1983年に行われた衆議院選挙の開票作業。 折り曲げられた投票用紙を職員が1枚1枚手で開いて仕分けしています。 そのため開票作業には多くの人と時間を要していました。 その10年後に行われた1993年の衆議院選挙の開票作業。映像を見ると、投票用紙は折れ曲がっていません。 比べてみると一目瞭然、仕分け作業もスムーズです。 この10年の間に何があったのでしょうか? ■投票用紙を開発した企業 ユポ・コーポレーション 鹿野民雄 部長 「開票時間をもっと短縮できないかと。選挙事務機器メーカー、選挙管理委員会の方から課題を解決してほしいと依頼があって」 合成紙メーカーのユポ・コーポレーション。 今回の衆院選で使用する投票用紙の原紙を製造しています。 ユポ・コーポレーション 鹿野民雄 部長 「紙のように見えるけど、フィルムなんですね。ポリプロピレンというプラスチックでできています。」 ■「折り目がしっかりつかない」欠点をいかして もともとは屋外ポスターや山地図などに使用されていた合成紙の「ユポ」 プラスチックが原料のため、水に強く、破れにくいという特性がありますが、折り目がつけにくいという欠点もありました。 ユポ・コーポレーション 鹿野民雄 部長 「重しをしないと折り目がしっかりつかないのがユポの特徴なんですけど。逆転の発想ですね。投票箱に入れた瞬間にパッと開く、開票作業が省力化できる。」 ■福岡市長選挙で初めて採用 「折り目がつけにくい」という特性を、逆に「開きやすい」という発想に転換して開発されたユポの投票用紙。 実はこの投票用紙を全国で初めて採用したのは、1986年に実施された福岡市長選挙でした。 折り曲げられた投票用紙が投票箱の中で自然に開くため、「紙を開く」という職員の作業がなくなり、効率よく仕分けができるようになりました。
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