『おむすび』“結”橋本環奈を取り巻く“四角関係”が勃発!? 北村有起哉が4分間に及ぶ大演説
『おむすび』(NHK総合)第5週「あの日のこと」は、阪神・淡路大震災が起こった1995年の神戸とその9年後、糸島フェスティバルが行われた後の福岡を交互に行き来しながら、歩(高松咲希/仲里依紗)や聖人(北村有起哉)、結(磯村アメリ/橋本環奈)たちの心情を映し出していく。 【写真】結(橋本環奈)をめぐって対立する翔也(佐野隼斗)と陽太(菅生新樹) 思いついたら後先考えないで動く、男気溢れる永吉(松平健)の性格が救いになっている週でもあるが、週終わりの第25話にて打ち上げの席で泥酔した聖人が4分間に及ぶ“大演説”を展開する。 聖人の本音に滲むのは、激しい後悔の念。「何でもいいけん自分がやれることをやろうとした。困っとう人たち、もっと助けたかった」という思いのもと、自分が神戸の街と人々を助けるため、歩や結たち家族を後回しにしたことで、歩がグレてしまったと思い込んでいた。子供の頃から「クソ真面目」と言われていた、「はりがねのポンコツ(豚骨)ラーメン」と自虐する聖人。それでもギャルに、“不良”になっていく歩をなんとかしたかった。「ウザい」と言われても天神まで捜しに、駅まで迎えに行った。聖人なりの不器用な優しさだ。けれど、同じことをして今度は結がギャルに、“不良”になってしまったと聖人は嘆く。「俺はもう、父親として情けんなか……」と声を震わせながら、頬に伝う一筋の涙。長尺のシーンに加え、泥酔状態であり、幼なじみの井出(須田邦裕)への激怒、そして悲嘆、と感情の浮き沈みが激しい場面となるが、観る者を引き込ませる北村有起哉の演技は流石の一言だ。 狸寝入りをしていた永吉、さらに階段から歩も、聖人の“大演説”を傍聴していた。涙を拭い、階段を降りてくる歩に愛子(麻生久美子)が微笑む。ハギャレンメンバーに「私、あの頃からギャルじゃなかったから。私、ニセモノだから」とだけ伝え、当時の思いを秘めたままの歩に、愛子は「じゃあ次は、歩の番だね」と背中を押すのだった。
永吉や歩だけでなく、結も聖人の思いを受け止めていた。酔い潰れた聖人を見つめ、そっと家を出ていく結。駅に向かう道中、結はルーリー(みりちゃむ)たちに「今日で、ギャルやめます」と伝え、笑顔で去っていく。ハギャレンメンバーも聖人の話を聞いていたため、結を追いかけ止めることはしない。これまで何度もハギャレンを抜けようとしてきたが、“ムスビンパパ”こと聖人を心配させまいと、今度は本気なのだということを4人は理解している。 けれど、結は糸島フェスティバルでのステージで、ギャルの姿になってパラパラを踊ったことで、震災前のあの頃の自分に“変身”することができた。翔也(佐野隼斗)や愛子のような、結の変化に気づいてくれている人たちもいる。第6週「うち、ギャル、やめるけん」では結、歩がそれぞれ自身の思いに正直になることが描かれていくのではないかと思う一方で、物語の本筋ではないが結を巡る恋愛模様も気になるところ。 翔也を送っていこうとする結を呼び止める陽太(菅生新樹)。「お前、おむすびと仲いいんか?」「こいつにおかしなことしたら許さんけんな」と翔也を相手にムキになる陽太の背中を見つめていたのが、結のクラスメイトの恵美(中村守里)。動揺する表情から気持ちを切り替え、恵美は陽太に送られていく。つまりは、風見先輩(松本怜生)アウトからの、恵美がインした、四角関係が勃発しているということになるが、恵美以外は恋愛にかなり鈍感そうでもある。
渡辺彰浩