パタゴニアが開発、人にも地球にも配慮した「世界初のパスタ」とは
長期目線で地球へ還元する食
パタゴニア創業者イヴォン・シュイナードは、すでに経営から退いた立場としてあまり製品にコメントをしないが、このパスタを高く評価し、次のようにメッセージを寄せている。 「パタゴニア プロビジョンズ製品の中で私の一番のお気に入りだ。また、世界初のリジェネラティブ・オーガニック認証を取得したパスタであり、高品質な食品が複雑で工業化されたものである必要はなく、実際に地球に良い影響を与えることを証明している。 食品業界に変革をもたらすことは、単に害を減らすだけでなく、良いことを行う機会でもある」 ■長期目線で地球へ還元する食を目指す パスタを実食できる「Pizza 4P's Tokyo」は、地球や人々、動植物、そのすべては繋がりの中で生かされており、一つであるという “ONENESS(ワンネス)”をコンセプトに展開。Pizza 4P's の創業はベトナムで、現在カンボジア、インド、日本、インドネシア(12月オープン)で38店舗を展開している。 ゼロウェイストの店舗で都市の課題解決に繋がる活動を行うなど、環境配慮やソーシャルインパクトに根差した取り組みにも積極的で、その一環として、2019年度からサステナビリティレポートを発行。ゴミの量、エネルギーの使用量、パッケージの素材、地産地消の割合、スタッフの幸福度に至るまで、サステナビリティに関する社内の現状を報告するレポートは、昨年184ページにまで及んだ。 「地球そのものをビジネスの土台として捉えているので、地球を救うことを志すパタゴニアの理念に共鳴しました。レストランを通してリジェネラティブ・オーガニックやその認証を得たパスタを広めていきたいし、世界の店舗でも展開していきたい。実はインドには認証を得ている農家が多く存在します。 大切なのは長期目線で取り組むこと。オーガニックの農家が増えて一般的に広がれば手にしやすい金額になり、消費者がオーガニックを選択しやすくなる。それこそが将来的な利益に繋がると思っています」(久保田) 現在、残念ながら日本にはリジェネラティブ・オーガニック認証を得ている農家は存在しない。認証機関が日本にないこともあり、審査要員の来日を手配するなどコストがかかるなどハードルはあるが、パタゴニアでは一部の農家と協力しながら取得の事例づくりに取り組んでいくという。
Forbes JAPAN 編集部