エンジン排気量規定の変更で苦戦を強いられた3年間【ホンダF1挑戦60年の軌跡③】
■ホンダRA300(1967)
全長×全高:3955×845mm 車体構造:フルモノコック構造+チューブラー・サブフレーム 車両重量:590kg ホイールベース:2454mm トレッド(前/後):1464/1442mm サスペンション: 溶接ロッキングアーム+Aアーム/ Iアーム+逆Aアーム トランスミッション:ホンダ製6速MT 燃料タンク:200L タイヤ:ファイアストン エンジン型式:ホンダ RA273E 形式:水冷90度V型12気筒DOHC48バルブ 総排気量:2992cc 最高出力:420ps以上 エンジン重量:200kg(ギアボックス含む)
自信を持ってのぞんだ「RA301」「RA302」だったが
「RA300」の成功で、F1参戦の5年目の1968年、チームは自信を持ってシーズンに挑んでいた。 しかし、世界に通用する空冷エンジンにこだわる会社と、勝つためには水冷エンジンが必要という研究所の間で、水冷・空冷論争が起きていた。 結局、水冷と空冷の両方で参戦することなるが、水冷の「RA301」はフル参戦したものの、フランスGPで2位になったのが最高で、イギリスGPで5位、アメリカGPで3位となった以外は、すべてリタイア。空冷「RA302」はデビュー戦となった7月のフランスGPで、ドライバーのジョー・シュレッサーが事故死するという最悪の事態を招いてしまった。 チャンピオンを狙っていたホンダだったが、結局、この年は1勝もできなかった。そして、本格的な乗用車市場への参入のため、またF1参戦の所期の目標であった「四輪車の技術習得」は達成できたとの判断から、この1968年のシーズンをもって、F1を撤退することを決定するのだった。
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