『ヴィンチェンツォ』『涙の女王』の 憎めない役で注目!クァク・ドンヨン が練習生から俳優を目指した理由
2012年に『棚ぼたのあなた』で俳優デビューして以来、話題作にひっぱりだこのクァク・ドンヨン。『ヴィンチェンツォ』(2021年)では、巨大企業の若き会長・ハンソを、『涙の女王』(2024年)では、ヒロインの弟のホン・スチョルを演じ、話題となった。 【画像】クァク・ドンヨンさんの撮りおろし写真をみる。 そんなクァク・ドンヨンが6年ぶりに来日。元々は歌手になることを目指していたというデビュー前の話から、俳優となってドラマ出演するようになって感じたこと、定評のある「コメディ」の演技についての話まで、大いに語ってもらった。
練習生から俳優の道へ
――今回、6年ぶりに来日してファンミーティングを開催するということですね。以前、日本に来たときに、印象に残った場所はありますか? 北海道のニセコに行ってスキーをしたりして、とっても楽しかった思い出があります。 ――クァク・ドンヨンさんは、もともとは歌手を目指されていたそうですが、俳優として活躍するようになるまでの経緯を改めて教えていただけますか? 俳優になる前に、バンドとしてデビューするために14歳のときから練習生として準備をしていたんです。その頃に演技の授業も受けることがありました。その演技の授業がとても面白くて楽しかったということもあって、一度俳優のオーディションを受けてみたんです。そしたら、運よくうかりまして、そこから俳優の道が始まりました。俳優の仕事に、自由さと開放感を感じて、続けてみたくなったんです。 ――どのような部分で開放感を感じたんでしょうか? 現場で俳優同士であったり、監督やスタッフさんたちと意見を交換したりすることが、とても興味深かったんです。その経験があったから、本格的に俳優の道に進みたいなと思い始めました。
「より新しいこと、より良いことをしたい」
――クァク・ドンヨンさんは、コメディの演技にも定評がありますが、そういうところにも自由度は関係していそうですね。 多くの俳優が口を揃えて言うことなんですが、“コメディはとても難しい”し、だからこそ挑戦したいジャンルなんです。私にとっても難しいことですし、挑戦したいことなんですけど、コメディに対しての愛情もあります。子どもの頃からコミカルなものが好きだったし、そういう感覚を生かして、場面作りに役立てたいと思っています。 そして、その試みが成功して、笑ってもらえたときは、とてもうれしいです。でも、人によって、何が面白いかっていう感覚って違うんですよね。だから、大多数の人の「面白い」という感覚に合わせることは、非常に難しいことだと思います。でも、その難しさを乗り越えて、誰かを笑わせることに成功したときの喜びはひとしおなんです。 ――コミカルな作品や人で注目しているものはありますか? コメディ映画は、たくさん見ます。特にジョーダン・ピールの関わった作品なんかはよく見ますね。 ――ジョーダン・ピールというと、『ゲット・アウト』(17年)や『NOPE/ノープ』(22年)など、怖い映画のイメージも強いですね。 彼は、もともとコメディアンだったので、コミカルな作品にも出ていたんです。映画などを見てコメディを学ぶこともありますが、日常生活のいろんな場面でも、面白かったこと、楽しかったことなんかはキャッチして、自分の記憶の中にストックしておき、いざとなったら使おうと思っています。 ――俳優になって、もっともハードルの高さを感じることはなんですか? いろんな作品ごとに感じますし、いろんな役作りをするごとに感じるんですけれども、自分の経験に頼って同じことを繰り返すということは避けたいといつも思っています。より新しいこと、より良いことをしたいと常に思っています。ですから、役作りをするときに、自分がこれまでやってきたことを踏襲しないようにしようと努めています。