「TAAF2025」コンペティション部門のノミネート全30作品が一挙発表! 学生賞の受賞作品も決定
国際アニメーション映画祭「東京アニメアワードフェスティバル2025(TAAF2025)」が、2025年3月7日から3月10日まで東京の池袋にて開催される。このたび、長編アニメーション4作品と短編アニメーション26作品からなる、本年度のコンペティション部門のノミネート全30作品が一挙に発表された。さらに、<学生賞>の受賞作品も決定した。 【フォト】コンペティション部門のノミネート全30作品を画像でみる 「TAAF」こと「東京アニメアワードフェスティバル」は、2025年で12回目の開催を迎える国際アニメーション映画祭だ。日本国内で未興行の世界のアニメーション作品を対象にした「コンペティション部門」、日本国内で発表されたアニメーション作品を対象とした「アニメ オブ ザ イヤー部門」、アニメーション業界に貢献した人々を顕彰し、先人たちの歴史、技術、生き様を伝える「アニメ功労部門」を中心に、その他招待作品の上映やシンポジウム、子ども向けのワークショップなどを実施している。 新たな人材の発掘・育成、アニメーション文化と産業の振興に寄与すること、および東京の魅力を発信し、東京の観光振興に資することを目的とする。「東京が、アニメーションのハブになる。」を合言葉に、高いクオリティとオリジナリティに富む世界中の作品を東京で上映することで、世界中のアニメーションを愛する人々との交流を図る。クリエイターや観客に刺激と感動を提供し、そしてその感動や刺激を糧にアニメーションの新たな波を東京から世界へ発信している。 そんな「TAAF」のコンペティション部門は毎年、世界各国から優秀な作品が多数応募される。本年度の長編アニメーションは、26の国と地域から応募された34作品(昨年32作品)より4作品がノミネートされた。また短編アニメーションは70の国と地域から応募された997作品(昨年962作品)より、26作品がノミネートになった。 また、コンペティション部門の短編アニメーションに応募のあった作品の中から、日本国内の教育機関で学ぶ学生の作品を対象に一次選考委員が審査を行い選ぶ「学生賞」は、『ヨビとアマリ』(監督:比留間未桜)に決定した。学生賞の受賞作品は、「TAAF2025」の開催期間中に「スロット1」にて上映される。 国際アニメーション映画祭「東京アニメアワードフェスティバル2025(TAAF2025)」は、2025年3月7日から3月10日まで東京の池袋にて開催される。コンペティション部門のノミネート作品の詳細、および一次選考委員からのコメント詳細は公式サイトまで。 <以下、フェスティバルディレクター・竹内孝次のコメント全文掲載> コンペティション部門・長編アニメーション『ボートインザガーデン(A Boat in the Garden)』 「あっ、鋸を押してる」と気づくと、嬉しくてたまりませんでした。西欧の鋸の刃は立てる方向が日本とは逆です。だから、西欧の鋸や肉切りナイフは押して使います。 こんな些細な日常の動作を、手描きのアニメーションで緻密に表現してくれています。 1950年代のフランスを舞台に、庭でボート作りを始めてしまった両親、それに戸惑う息子の姿が丁寧に描かれています。日々の暮らしの中で長い時間を掛け、人は熟成されて育つんですね。 コンペティション部門・長編アニメーション『クラリスの夢(Clarice’s Dream)』 ブラジルの作品で、カリカチュアされたデザインと大胆なカットアウトの手法が特徴です。夜の町を手引き車で、廃品を回収して歩く父。クラリスは、夕方になると、その日の待ち合わせ場所でこの車に乗り込み、荷台のベッドで寝ます。そこでは、本来の生業であったと思われる人形芝居の人形たちが彼女を迎えてくれます。 病気で亡くなった妻を捜すかのように、家を捨て、毎夜、手引き車で町を巡り続ける父とその娘の話しです。 コンペティション部門・長編アニメーション『アンジェロと不思議の森(Into the Wonderwoods)』 誰もが楽しめるエンタテインメント作品です。危篤のお祖母さんの許に向かうアンジェロ一家。しかし、アンジェロだけが途中ではぐれてしまい、不思議な森に入り込んでしまいます。ここから先は、どうぞ見てのお楽しみ。3D版クレヨンしんちゃんみたいな笑い満載の長編です。 コンペティション部門・長編アニメーション『ペリカンブルー(Pelikan Blue)』 日本の事務インクは濃紺青あるいは黒が殆どだったと思います。ところがペリカン社のブルーのインクは、澄んだ蒼い色でした。この作品は1990年代ハンガリーの実録犯罪物語りです。国境を越える自由を与えられたものの外国に行く資金の無い若者たちが見つけ出した無賃乗車の方法とは…。『ペリカンブルー』がキーワードです。僕も昔このインクを使っていましたが、あの透明感のあるきれいな蒼色を思い出し、自由を感じてしまいました。 コンペティション部門・短編アニメーション「スロット1(全9作品)家族向け」 是非、小さなお子さんと一緒にご覧ください。見ているだけで楽しく温かくなれる作品ばかりです。日本、ヨーロッパ、北米、南米とそれぞれの地域の醸し出す雰囲気にどっぷり浸かって、映画館で世界を感じてください。 コンペティション部門・短編アニメーション「スロット2(全10作品)中学生以上向け」 今年は少しだけ視聴可能年齢が上がってしまったかもしれません。社会や会社でのプレッシャー、人との出会いや別れといった、誰もが直面する問題に切り込んだ作品ばかりです。簡単な解決策はないので、一緒に考えるしかないですね。 コンペティション部門・短編アニメーション「スロット3(全7作品)成人向け」 性、暴力、社会格差に根差した人間の醜さを掘り起こした作品が多くなっています。どれも力作で、短編としては長めの尺ですが、飽きさせずに見せてくれます。このスロットを見ていると、知らないうちに肩に力がはいって来るんじゃないでしょうか。 ★学生賞受賞作品 ■ヨビとアマリ(英題:Yobi and Amari: Story of Spares) 監督:比留間 未桜 学校名:筑波大学 / 11分30秒 / 2024年 ■TAAF2025 コンペティション部門 一次選考委員 ※五十音順・敬称略 <長編アニメーション> ●井上 喜一郎(株式会社バンダイナムコフィルムワークス IP制作本部 制作部/制作管理部 デピュティゼネラルマネージャー) ●斎藤 朋之(株式会社TBSテレビ アニメ事業部 ゼネラルマネージャー、プロデューサー/株式会社Seven Arcs 取締役CCO/株式会社マンガボックス 取締役(非常勤)) ●治郎丸 慎也(株式会社徳間書店 編集/ライター) ●高橋 望(特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構 理事) <短編アニメーション> ●石黒 竜(プロデューサー) ●岩佐 直樹(日本テレビ放送網株式会社 コンテンツビジネス局スタジオセンター・アニメDIV プロデューサー) ●岩野 一郎(名古屋学芸大学 メディア造形学部 映像メディア学科 准教授) ●梶家 麻実(イラストレーター/アニメーター) ●片塰 満則(造形監督/光画監督/CG監督) ●佐藤 由美(株式会社朱夏 代表取締役/プロデューサー) ●高橋 賢(アニメーション監督/アクション監督/株式会社sapphirus 代表) ●野崎 愼也(株式会社セルシス 創業者) 「東京アニメアワードフェスティバル2025」開催概要 日程:2025年3月7日(金)~3月10日(月) 会場:東京・池袋 主催:東京アニメアワードフェスティバル実行委員会、一般社団法人日本動画協会 共催:東京都 事務局:東京アニメアワードフェスティバル実行委員会事務局(一般社団法人日本動画協会内) (C)Urban Sales. All Rights Reserved. (C)2024 Miou Hiruma/Mh-artworks (C)2023 Saki Muramoto(C)Margarida Madeira(C)Blablabla Media(C)2024 Miou Hiruma/Mh-artworks (C)Ulmi Film(C)Zofia Klanuka(C)Chicken Fruit Ltd.All Rights Reserved(C)Folimage(C)RYU Jireh,SHIM Woomin.AllRights Reserved.(C)CHOI Inye.All Rights Reserved.(C)ESMA(C)Polydontfilms (C)Les Astronautes(C)Nice Boat All Rights Reserved(C)ESMA (C)TAAFEC. All Rights Reserved. イラスト:本田雄
アニメ!アニメ! 仲瀬 コウタロウ