「介護離職」を選んだ「45歳」の同僚。私の親も高齢なので、他人事だとは思えません。一般的に「介護資金」はどのくらいかかるものでしょうか?また、介護離職をする人はどれだけいますか?
親が高齢になれば、介護の問題に直面する可能性が高まりますが、実際にどのくらいの資金が必要なのでしょうか。また、介護離職を選ぶ人はどのくらいいるのでしょうか。 今回は、介護にかかる一般的な費用や介護離職の実態、そして介護と仕事を両立するための支援制度について紹介します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
一般的な介護資金の目安
介護費用は家庭に大きな負担をもたらす可能性があります。生命保険文化センターが実施した調査によれば、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時的な費用を含めた介護費用の平均は約74万円、月々の費用は平均8.3万円です。介護の場所によって費用が異なり、在宅介護では月額平均4.8万円、施設介護では12.2万円と、施設介護の方が約2.5倍の費用がかかります。 さらに、介護期間の平均は5年1ヶ月で、約半数が4年以上介護を続けているそうです。先述の通り、介護には長期間と大きな費用負担が伴うことがわかります。
介護離職を選ぶ人の現状
介護離職は、働きながら介護を続けることが難しいと感じた人が選択する最終手段の1つです。 厚生労働省の「雇用動向調査」によると、2022年には約7.3万人が介護や看護を理由に離職しています。全体の離職者数約765.7万人のうち、個人的な理由で離職した人は約563.0万人で、その中で介護・看護が理由となった離職者の割合は約1.3%に過ぎませんが、数字は年々増加傾向にあります。 特に注目すべきは、介護離職者の中で女性の割合が高いことです。同データでは、介護・看護を理由に離職した女性は約4.7万人で、男性の約2.6万人を大きく上回っています。この傾向は、家庭内での介護の負担が女性に偏りがちであることを反映しています。 また、介護離職者の中で最も多い年代は55歳~59歳で、男性4.40%、女性7.52%がこの年代に該当します。これは、親の介護が必要となる時期と、自身の退職やキャリアの終盤が重なることが要因と考えられます。 さらに、40歳代でも介護離職の割合が増加しており、特に45歳~49歳では男性0.58%、女性1.47%が介護離職を選んでいます。こうしたデータからも、介護と仕事の両立が難しく、多くの人が仕事を辞めざるを得ない状況に追い込まれていることがわかります。