幼い時は氷上で転びギャハギャハ笑ってた坂本花織、集大成の五輪「金」へ…好きな言葉は「爆笑」
フィギュアスケートの全日本選手権で4連覇を達成した坂本花織(24)(シスメックス)。リンク上の華やかな演技と笑顔の裏で、いくつもの困難や苦悩を乗り越えてきた。日本のエースとしての自負や、来年2月の開幕まで1年あまりとなったミラノ・コルティナ冬季五輪への思いなどを自身の言葉で伝える。
水泳でなくスケート選んだのは「苦しくない」
年が明けて、ミラノ・コルティナ冬季五輪まで1年です。2022年北京五輪は団体で銀メダル、個人は銅で、やっぱり次は金を取りたい。願わくば団体、個人のどっちもですね。
スケートを始めたきっかけは、3歳の時にテレビドラマの登場人物がフィギュアをしているのを見たこと、だそうです。実は私自身はよく覚えておらず、母によると、色々なスポーツを見ても「これは嫌」「あれも嫌」と言っていたのに、スケートは「やりたい」と言ったそうです。近所のリンクで滑ってみると、転んでも楽しそうで「この子、こけてもギャハギャハ笑ってるわ」とあきれたそうです。そういえば、今でも転んでくじけることはないですね。
もう一つ習っていたのが水泳です。「泳げることで損はない」という理由で、2人の姉もやっていました。小学校に入った頃は水泳が週5回、スケートが週3回。2年生でどちらかを選ぶことになり、スケートにしました。
水泳は、水面から顔を上げないと息が吸えないのが苦しくて、個人メドレーで最後の自由形になると「もう倒れそう……」と思っていて。でも、スケートなら自分の好きなタイミングで息を吸える! それが選んだ理由です。ただ、今季のプログラムは動きが多く、息をつく間もないくらい。小学2年生の時、これは想像していなかったですね。
当時から中野園子先生に指導を受けています。技術面はもちろん、良い感覚を見失った時は「こうした方がいい」とわかりやすく指摘してもらえる。あとは厳しさ。「やれー」と「いけー」。この二つの言葉に背中を押されて、試合で苦しい時も「あの厳しさに比べたら耐えられる」と思えます。