「投資のリスクをコントロールする4つの方法は?」-③逃げ出さずに時間を味方にして、④先の成長を信じぬく!【連載第5回】
その4「もっと先の成長を信じぬく」
分散投資、積立投資、長期投資は、世界の富裕層や大きなお金を動かす機関投資家と呼ばれるプロたちが長きにわたって実践してきた最もスタンダードな投資方法です。 どれも魔法ではありませんから、リスクがゼロになるわけではありません。ただ、不確実な世の中で一定のリターンを得ようと思ったら、一定のリスクはとらなくてはならず、そのリスクをコントロールするための有効な手段であることは間違いありません。 長期投資を前提に考えると、HugKumのメイン読者層である子育て世代にとっては、ゴールはまだ20年以上先。今、大切なのは、とにかく継続すること。継続するためには途中で紆余曲折があったとしても、長い目で見たときに世界経済が成長していくと本気で信じぬけるかどうかが、たいへん重要になってきます。 もちろん国によって経済状況は違います。今後、インドやアフリカが台頭してくる可能性もあり、トップを走る国の顔ぶれは大きく変わるかもしれません。しかし多少国の入れ替わりがあったとしても、地球全体で見たときに世界の経済は成長していくと思えるかどうか。思えなければ、結局投資も長続きしません。
世界経済の成長の根拠の1つは人口
今後、世界経済が成長していくと考えられる要素の1つは人口です。あらゆる経済指標の中でも、非常に精度が高いといわれているのが人口予測です。 上のグラフ(画像リンク参照)を見ると、下段の世界の人口ピラミッドは、人口減少が叫ばれる上段の日本とは真逆の形であることがわかります。世界の人口は2080年代半ばがピークといわれており、人口に比例して世界経済も成長していくと考えられています。 私はよく、経済は人間の欲望ドラマだと説明しています。人口が増えれば衣食住を満たすためのビジネスへの需要が高まり、消費が増えます。しかも人間には欲があり、より良いものや便利なものを求め続けるので、さらなるビジネスチャンスが生まれます。新たな製品やサービスが開発され、企業は利益を出し、従業員の賃金が上がり、株価も上がっていく。この好循環が生まれるためには、人口は非常に重要なポイントです。 日本はこの先、グラフ上の濃い色で示した「生産年齢人口(生産活動を中心となって支える15~64歳の人口)」の減少スピードが速く、政策対応が急がれています。ただ、世界経済が成長していく中で、日本企業にも当然チャンスはあるはずですし、成長できる企業をしっかりと見極めて、投資によって応援することも大事です。投資は社会への参加権であることも、あらためて意識してほしいと思います。