医薬品の不足で薬局は対応に苦慮 インフルエンザの流行期に入り不安 薬局は臨機応変に対応
富山テレビ放送
県内でも、流行の兆しを見せ始めたインフルエンザ。 こうした中、心配されるのが薬不足です。 県内の薬局では、医薬品の不足で、対応に苦慮する事態が続いています。 高岡市内の薬局。毎日、FAXで届くのは、欠品の知らせです。 不足は、3年以上続き、何かしらの薬が足りていない状態が当たり前になっています。 最近は特に、子ども用の抗生剤が手に入らないといいます。 *タケザワ薬局 宮嶋典子薬剤師 「きょうの午後に入ってくる予定なんですけど。入ってこないので、医師に相談して違った抗生剤に変えてもらう。これもジェネリックがあるが、入ってこない」 この時期は、インフルエンザの流行の始まりが気がかりです。 13日、県が発表した感染症情報では、今月4日から10日までの一定点医療機関あたりの患者数は、0.73人。 流行の目安となる「1.0人」には達していませんが、前の週から増加しました。(前週0.54人) インフルエンザは、全国的には流行期に入り、さらに、マイコプラズマ肺炎もまだ患者が多い状況で、薬不足への不安が広がっています。 *タケザワ薬局 宮嶋典子薬剤師 「抗ウイルス薬が前シーズン無かったので、今年はちゃんと入ってきてほしい。錠剤が入ってこないので、医師に相談して粉に変えて処方したりする。臨機応変に対応している」 薬不足の背景には、富山市に本社を置く日医工などの大手ジェネリック医薬品メーカーの不正製造を発端に、全国的に製造量が落ち込んだことがあります。 そうした事情に加え、薬局によると、最近は、薬価が安く、経営再建を目指す日医工もそのひとつですが、採算をとれない薬の製造を取りやめるメーカーもあり、こうした影響も出ているとみられます。 *タケザワ薬局 宮嶋典子薬剤師 「医師が選んだ薬をあげたいが、それができない心苦しさがある。患者さんが何軒か薬局を回って断られてきたときに(薬を)変えなければならないと了承を得るのが難しい」 複雑な要因が重なり、薬不足は、出口の見えない状況が続いています。 薬を必要とする患者、薬局の現場の苦悩が深刻化しています。
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