田尾安志さん、昨季不振に苦しんだ阪神・中野拓夢がハマった”落とし穴”を指摘「無理やり振りにいった」
中日などで好打者として活躍し、楽天で初代監督を務めた田尾安志さんが8日、自身のYouTubeチャンネルに新規投稿。昨年不振に苦しんだ阪神・中野拓夢選手について語った。 ドラフト6位で2021年に入団した中野は、ルーキーイヤーから成績を伸ばし続けたが、昨年は打率2割3分2厘。一昨年の2割8分5厘から大きく数字を落とした。 田尾さんは新人時代に2月のキャンプで中野を見た際に「これ良い選手じゃないのと思った」と回顧。その上で、「彼の去年のバッティングの目標として大きいのを打ちたい。そういう気持ちが裏目に出た気がする。大きいのを打てればそれに越したことがないが、無理やり振りにいった」と指摘。「特にインサイドの球に過敏な反応をしていた。ボール球でも振りにいくという。きっちり捉えれば、大きいのが打てる。そういうのが彼の気持ちの中に強くあったのかなという気がする。その意識が打率を落とす、フォームを崩す、そういうものにつながった」と分析した。 さらに技術面でも「バットの出も、面の状態でいろんなボールを捉える。こういう形が理想だと思うんですが、そういう形ができていた選手がもっと遠くへ打とうとしたときに一回寝かしてから、バットヘッドを効かそうという意識が強すぎて、面という形でボールを捉えることができていなかった」という。「ホームランの競争できるバッターではない。何で勝負するかというとヒット数、打率、出塁率で自分をアピールするべき選手だと思う。その選手が無理やり引っ張りにいった。これが大きな落とし穴に入ってしまった要因」と解説し、「21年から23年の成績を見たら、プロ野球のトップレベルの成績を残せる実力のある選手だと皆さんもお分かりですから、その選手が去年は落とし穴にはまったけれど、その落とし穴から抜け出して、23年のベストシーズン以上の成績を残してもらいたい。3割以上の成績を残してもらいたい。5年目にして大きな飛躍をしてもらいたい」と巻き返しに期待した。
中日スポーツ