米はイスラム過激派の伸長を懸念 政権崩壊で混乱のシリア巡り
シリアのアサド政権の崩壊について、トランプ次期米大統領は8日、自身のネット交流サービス(SNS)への投稿で「アサド(大統領)は去った。アサドを擁護してきた、プーチン(大統領)のロシアは、もはや彼を守ることに興味がなかった」と指摘。ロシアがシリアに対する関心を失ったのは、ウクライナでの戦闘が激化しているためだとの自らの見解を示した。 【写真まとめ】シリア・アサド政権崩壊 反体制派が首都制圧 また崩壊に先立つ7日の投稿では「シリアは混乱しているが、我々の友人ではない。米国の戦いではなく、関与してはならない」と距離を置く姿勢を示していた。 トランプ氏は8日の投稿でロシアのウクライナ侵攻について、双方の多数の兵士や民間人が犠牲になっているとして「即時停戦が必要だ。交渉が始められるべきだ」と改めて訴えた。またロシアと共にアサド政権の後ろ盾となってきたイランにも触れ、イスラエルとの戦いで「弱体化」したと指摘した。 サリバン米大統領補佐官は7日、ロシアとイランが弱体化したことが反体制派の攻勢につながったと指摘。その上で、シリアでの混乱により過激派組織「イスラム国」(IS)が再び勢いを取り戻すことへの懸念を示し、米国が支援するクルド人主体の反体制派組織「シリア民主軍」(SDF)などと協力すると表明した。 ホワイトハウスは7日、「バイデン大統領は異常な事態を注視し、地域のパートナーと連絡を取り合っている」と発表した。【ワシントン松井聡】