「不祥事多発」や「ルッキズムで時代錯誤」と批判も…それでも大学の学祭から「ミスキャンパス」がなくならない理由
大学内の美女を決める催しとして開催されてきたミスキャンパスコンテスト。近年は、運営団体の不祥事やルッキズムを助長しているといった批判などにより、多くの大学で行われなくなっている――という認識の人も多いかもしれない。 【画像】今年の「ミス慶応」に出場している、“才色兼備”な女子大生たち しかし、実際は、この数年の間に関東の主要な大学でミスキャンパスコンテストの開催を取りやめたのは、上智大学と明治学院大学のみ。不祥事の起きた慶応大学を含め、今年も多くの大学でミスキャンパスコンテストが開催されている。
一方で、コンテスト自体は以前ほどの盛り上がりを見せていないのもまた事実である。なぜミスキャンパスコンテストは、逆風の中で盛り上がらなくなっても開催され続けているのか。この10年の流れを振り返ってみたい。 ■グランプリでなくても「女子アナ」になれる ミスキャンパスコンテストは1970年代に始まったとされる。1980年代には多くの大学に広まり、「女子大生ブーム」とも相まって盛り上がりを見せ、さらに2000年代からは女子アナの登竜門としての特性も持ち、学外からも注目を集めるイベントとなっていった。
そして、この10年の中で、その盛り上がりに水が差されることとなったのは主に2回。運営団体の不祥事によるミス慶応コンテストの一時的な中止と、ルッキズム批判による上智大学・明治学院大学での中止である。順を追って見ていこう。 まずは2016年、これまでミス慶応コンテストを開催してきたサークル・慶應義塾広告研究会が不祥事を起こし、解散命令が下ったため、コンテストも中止となった。 このとき、筆者は『スッキリ』や『サンデー・ジャポン』など、多くの情報番組に出演して解説をしたが、そもそもミスキャンパスコンテストが大学の公式イベントではなく、いちサークルによって行われているということに驚いている人が多かった印象だった。
大学がお墨付きを与えたものではなく、あくまで学生たちが自主的に美女を選ぶ催しをしているにすぎない――という構造に気付いた人もいるのではないだろうか。 さらに、この年にファイナリストとして選出されていたものの、コンテストが行われなかったため順位が決定されなかった“幻のミス慶応”6名のうち、結果的に2名がキー局のアナウンサーとなった(2018年に日本テレビに入社した岩田絵里奈と、2020年にフジテレビに入社した渡邊渚)。