女流雀士・瑞原明奈 シーズンMVP獲得経験者が語るMリーグならではの闘牌思考とは
麻雀プロリーグ戦・Mリーグの女性雀士に思いを聞く本企画に瑞原明奈(U-NEXT Pirates)が登場。2021-22シーズンでMVPを獲得するなど活躍を続ける実力派が、赤ドラありルールのMリーグならではの思考などを明かした。 【写真】シーズンMVP獲得経験のある実力者・瑞原明奈 モデルばりポーズが決まってる -20歳の頃にCSの対局番組を見て、思わず見入ったことが麻雀を始めたきっかけとのこと。選手もルールも知らない中で何に魅了されたのか。 「子供の時から父の趣味のひとつが麻雀だったんです。家の中で麻雀の話をしたことは一切なかったですけど、漠然と麻雀ってどういうゲームなんだろうという興味、関心はもとからあったんだと思います。それでたまたまテレビで対局を見て…たぶん私、麻雀牌が好きなんですよね。牌の見た目もそうですし、なんかカチャカチャっていう音とか、視覚的、聴覚的なところにも魅力を感じて見るようになったのかなと思います」 -その後は麻雀番組への出演、出産後はオンライン対戦麻雀『天鳳』、さらにMリーグ参戦と幅広く活躍。振り返って麻雀の実力が一番伸びたと変化を感じたのは、どの時期だったのか。 「自分で思うのは二つあります。一つ目は産休、育休に入って、オンライン麻雀に打ち込んだ時期ですね。オンライン麻雀には牌譜を振り返る機能があって、打った直後に再生して振り返ることができるので、あの時に他の人の手はどうだったんだろうとか、この牌はどれぐらい山にあったんだろうみたいな答え合わせをすぐにすることができる。なおかつ面子を集める必要がないので、回数をいっぱい打つことができるんですよね。もちろん育児は大変だったんですけど、逆に言うと育児以外は仕事や外出することもなかったので、子供の寝ている時間はオンライン麻雀しかしていないような感じでした。その時期に自分の麻雀の根幹ができ、基礎力が鍛えられたかなと思います」 (続けて) 「もうひとつは、やっぱりMリーグに入ってからですね。それまでは特定の誰か、例えば師匠みたいな存在に教えてもらうようなことがなかったですが、チームに入ったことで特定の人たちに定まった環境で教わるということができました。それまでは気づかなかった自分のバランスの良くない点などを教わって、聞いて、吸収してということができたので。麻雀の成長はすごく感じています」 -Mリーグは他のリーグ戦とは違う独特なルールがある。選手によって打ち方を変えている方もいるが。自身のこだわりはあるか。 「私は結構変わる派です。やっぱり赤ドラありのルールがMリーグの特徴。赤ありとなしでは手の出来上がり方、打点の高さが違うので、だいぶ打ち方は変わりますね。一番は打点意識が違います。赤ありの麻雀では簡単に満貫、跳満が出来上がるので、無理をして打点を狙う必要がないと考えています。速度と打点の高さは反比例しているので、基本的に打点を上げようとすると、それに比例して手は遅くなる。なので、Mリーグでは速度の方を重視していいかなと思っています。赤なしの麻雀だと速度を遅らせてでも、打点の高さを追求して満貫クラスを上がりに行くような打ち方になる。そういうところが結構違います」 -具体的に言うと。 「やっぱりドラの数に対する意識は、赤ありの方がだいぶ強くなります。押し引きに関して言えば、例えば自分の手に一気通貫が見えるイーシャンテンだったとしても、そこにドラがない場合は、相手にドラがたくさんあるということになる。手役を含む打点よりは自分の手にドラが何枚あるかというところに依存することが結構多くなるという感じですね」(後編に続く) ◆Mリーグ 優勝賞金5000万円を9チームで争う。1チーム男女混成の4人で構成。レギュラーシーズンの上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み、優勝を目指す。ABEMAで全試合無料生中継中。 ◆瑞原明奈(みずはら・あきな) 1986年、長崎県佐世保市生まれ。早稲田大学在学中に、CSチャンネルで見た麻雀対局に魅了される。新卒で通信会社に勤務し、結婚を機に退職。14年に日本プロ麻雀協会の13期生としてプロ入りし、17年に最高位戦日本プロ麻雀協会に移籍。19年にU-NEXT Piratesからドラフト指名を受け、Mリーガーとなる。Mリーグ21-22シーズンにはMVPを獲得するなど活躍中。二児の母。