米大統領選挙を前にドージコインが上昇──ビットコインETFは5億ドル以上の流出
注目のアメリカ大統領選挙を前に、主要なトークンの中で緑色に輝いていたのはドージコイン(DOGE)だけだったが、今後数週間のうちに、どちらの候補が勝利したかに関わらず、暗号資産(仮想通貨)市場全体が急騰するとの見方もある。 このミームコインは、ビットコイン(BTC)が3%近く下落し、主要なトークンがすべて1%から5%の損失を記録したにもかかわらず、過去24時間で10%以上も上昇した。幅広い銘柄を対象とするCoinDesk 20指数(CD20)は3%下落した。 DOGEは、共和党のキャンペーンの一環として、テクノロジー起業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏から改めて支持されたことで、過去30日間で50%上昇した。マスク氏は、政府支出と金融計画をより効果的に行う機関として、政府効率化省(D.O.G.E.)の創設を提案している。これはトークンへの明確な賛同の意を示している。 ビットコインは、破綻した取引所のマウントゴックス(Mt.Gox)が22億ドル相当のトークンを保管場所から新しいウォレットに送ったため、下落した。 このような動きは、歴史的に債権者への弁済に先行しているので、価格が下落する傾向があり、トレーダーらは、資産がさらに取引所に移動された場合、短期的な売り圧力が強まると予想している。 一方、アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)では、11月4日に5億4100万ドル(約811億5000万円、1ドル=150円換算)の純流出を記録した。これは5月以降の最高額であり、8億ドル以上の純流入が連続した週を経て、機関投資家の関心が高まるという期待は打ち砕かれた。 純流入となったのは、ブラックロック(BlackRock)のIBITのみであった(3800万ドル、約57億円)。フィデリティ(Fidelity)のFBTCは1億6900万ドル(約253億5000万円)の流出で、運用開始以来の最高額となった。次いで、アーク・インベスト(Ark Invest)のARKBが1億3800万ドル(約207億円)、グレイスケール(Grayscale)のミニビットコイントラスト(BTC)が9000万ドル(約135億円)だった。 一方、トレーダーたちは、一部の市場では、コイントスに近い確率にまで近づいた大統領選挙の世論調査結果の変化の中で修正が行われたと指摘している。 「市場が下落しているのは、トレーダーがトランプ氏が『楽勝』するという自信を失っているためで、それは暗号資産にとって良い兆候ではない。なぜなら、彼は暗号資産に前向きな候補者と見なされているからだ」と、暗号資産取引所BTSEのCOOであるジェフ・メイ(Jeff Mei)氏は、テレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。 「ポリマーケット(Polymarket)やカルシ(Kalshi)などの予測市場や、全国規模の世論調査では、週末にかけてハリス候補に対するリードが縮まり、接戦になるだろうと人々は考えているようだ」とメイ氏は述べた。さらに「本当の決め手」は7日にアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを決定するかどうかであり、FRBは「短期的に市場を押し上げる」動きとして、利下げを継続すると見られている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Dogecoin Rallies, Bitcoin ETFs Bleed Ahead of U.S. Elections
CoinDesk Japan 編集部