線路またぐ跨線橋ついに完成、新潟県五泉市「東南環状線」寺沢-赤海が開通
新潟県五泉市の「東南環状線」のうち寺沢と赤海の両地域をつなぐ約720メートルの区間が開通した。約60年前に計画された都市計画道路の主要な部分で、完成すれば市内の渋滞緩和など交通の円滑化が図れると市民から期待が寄せられていた。開通日には記念式典が開かれ、地元住民らが跨線橋(こせんきょう)を歩いて渡り「これから便利になる」と喜んでいた。 【画像】開通区間の地図 東南環状線は市中心市街地の外縁部を南側から東側を通り、北側につなぐ延長約4キロの計画道路。1965年に市が計画を決定した。このうち一部の区間では2009年度までに道路の供用を開始している。 一方、JR磐越西線の線路をまたぐ跨線橋の工事が必要となる1469メートルの区間は、県が工事を行うこととして15年度に事業をスタートさせた。20年度には南本町から寺沢までの区間約750メートルを先行で供用開始し、跨線橋を含む約720メートルの工事を進めていた。 当初は22年度の完了を予定していたが、安全性をより高めるために工法の検討を行ったことなどから工事が遅れ、12月19日の開通となった。総事業費は約41億円。 跨線橋部分を含む今回の開通で、東南環状線は約3・2キロが使用可能になる。市街地や踏切を通過せずに移動できるため、市街地の渋滞緩和や村松方面から磐越自動車道安田インターチェンジまでのアクセス時間の短縮が期待される。 記念式典で田辺正幸市長は「待ちに待った開通だ。生活に欠かせない道路になると確信している」と喜びの言葉を述べた。式典の後、近隣住民らも含め約100人が、開通した道路を歩いた。寺沢2丁目の町内会長(71)は「やっと完成して、便利になる。踏切を渡らずに移動できるのはいい」と話していた。