榮倉奈々さんが女優の仕事に加え、CEOとなることを決意した理由とは|STORY
「服作りは、クリエイティブ・ヴィジョン・ディレクターの上杉美雪さん、クチュール・デザイナーの福屋千春さんと意見を交換しながら取り組んでいます」。上杉さんのクリエイティビティを軸に、生地や細かいデザインを擦り合わせて。
◇ 多スクな今距離感のバランスがいい子どもも私もハッピーです
踏み出してみると、今、毎日が勉強です。タスクが多くて、正直、大変な時もあります。私の母は専業主婦で、強い責任感で家事や子育てをする後ろ姿を見て育ってきました。なので、同様に「頑張らなくちゃ!」と思い込み、知らず知らずのうちに抱え込んでいたんです。 ところが、起業して新しく力を注ぐ場所を得ると、これまでどれだけその力を子どもに向けていたのだろうと気づきました。今は、「ママ、今日お仕事? 頑張って!」と、のびのびしています。 「やってくれる?」と周りに言えるようになったのは、私の中で大きな変化でした。私が変わってから、家族も変わったように感じます。起業に悩む時も、「やりたいようにやってみたら」と言ってくれた家族は、進んで手伝ってくれるようになりました。やっぱり、家族の間でも、気持ちは言葉にしないと伝わらないです。今はアナログで手帳派の私に合わせ、週末に家族とスケジュールを共有するようにしています。 子どもたちもパパがこれまで以上に家事や育児に関わるようになって嬉しそう。起業して忙しい今のほうが、子どもとの距離バランスがちょうどいい。私の挑戦によって、家族の気持ちとカタチが変わった今のほうが、私も子どもも、家族全員ハッピーな気がします。
24秋冬コレクションの展示会準備。「サンプルに袖を通すたび、背景のある服は、やっぱりいいなと実感しています。美しい佇まいでありながら、肩の力を抜いていられる。そんな服は、多スクで忙しい大人の女性たちに是非、着てほしいと思っています」。 シャツ¥54,000〈参考価格〉パンツ¥60,000〈参考価格〉(ともにnewnow)
今は、「人に頼る」の修行中です何より頑張りすぎないことが大事
起業してからは、自分を追い詰めず、肩の力を抜いて、周りの人にも頼りながら、日々を過ごすよう心がけています。 時には休日は計画的に寝坊をしたりもしますし、好きな本を読んだり、ノートに思うことを綴ってみたり……。 4年後は、私も40歳。上の子は10歳になり、会話の幅も広がると思いますし、旅行先の選び方も違ってくると思います。今は、私がワンピースやスカートを着ているのを見て、「ママ今日可愛い!」と言ってくれたり、スーツを着ると「カッコイイ!」なんて褒めてくれるけれど、お互いに年を重ねて子どもと一緒にショッピングをする日も楽しみ。 そして、10年後は――。きっと子どもとも洋服をシェアできる頃。最近は、そんなことを意識して、服選びをするようになりました。自分たちが手掛ける「new now」の服は、10年後も色褪せない服。今から少しずつクローゼットを満たして、いつか子どもとこの服たちをシェアしたい。 そんな10年後のミライが今から楽しみです。 脳科学や心理学の本が好きで、一人時間はそんな本を開きます。特に、脳科学者の中野信子さんの本は、愛読書です。アナログ派なので気になったことはノートにメモ。結局は、一人時間も子どものことを考えてしまうのですが……(笑)。ニット¥152,900※参考価格(トッズ/トッズ・ジャパン) 撮影/渞 忠之 スタイリスト/上杉美雪(SENSE OF HUMOUR)ヘア/KENICHI(SENSE OF HUMOUR)メーク/Yumi Endo(eight peace management)取材/坂本結香 ※情報は2024年6月号掲載時のものです。