伝統の仙台白菜 復興のシンボルとして東日本大震災後に栽培が復活
khb東日本放送
伝統野菜の仙台白菜は、塩害に強いことから東日本大震災後に復興のシンボルとして栽培が復活しました。
ミルフィーユ鍋に酸辣湯、おにぎりに使われているのは仙台白菜の伝統種、松島純二号です。肉厚で柔らかく甘みがあります。 仙台白菜の魅力を後世に伝えようと11月に開催された試食イベントでは、宮城県の内外から訪れた人がおいしさを味わいました。 参加者「ハクサイは好きですから食べますけど、これほど甘みがある物は感じたことはありませんね」 主催者星昭一さん「我々が本当においしいと思っていたハクサイが無くなることは絶対に避けなければならない。さっと火を通してゆでたり色々な料理で食べていただきたいなというのが私の一番の思いです」 宮城県東松島市赤井の野菜農家、遠藤淳一さんは、松島純二号を約40アールの畑で栽培しています。 やもと蔬菜組合遠藤淳一組合長「気温も下がってきて天気も落ち着いてきましたので、ハクサイとしては仕上がりは良い状況になってきてます」 松島純二号は1924年に宮城県で栽培が始まった品種で、誕生から100年を迎えます。 かつては全国に出荷されていましたが、傷つきやすく日持ちしないことから新しい品種の普及と共に見られなくなりました。 転機は東日本大震災でした。東松島市も津波で多くの土地が浸水する中、塩害に強いとされる仙台白菜が注目され復興のシンボルとして栽培が復活しました。 遠藤さんは、2019年の台風19号でも畑が3日間冠水し約6割のハクサイが被害を受けましたが、被害を免れたハクサイが大嘗祭の献上品として皇居に届けられました。 しかし、栽培の難しさなどからハクサイを栽培する農家の数は震災前の4分の1に減少しています。 それでも遠藤さんは、仙台白菜のおいしさを広めようと栽培を続けています。 やもと蔬菜組合遠藤淳一組合長「魅力を分かっていただいて、おいしいねって言ってくれる方もいますので、そういう声聞くと作り続けていきたいなとは思いますね」
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