藤浪晋太郎は、阪神のカギを握る男よ。2度目の登板は手応え十分やった【岡田彰布のそらそうよ】
自分で切り開くしかない
藤浪の復肩は、自分自身で切り開くしかない状況やと思う。相手がイヤがる投球をするだけや。2度目の登板で四球は1つのみの自責点1の好投。何より戦う姿勢を見せてくれたのが一番やった/写真は7月23日の広島戦=BBM
運も実力のうち……という。優勝したシーズンを振り返ると、運が味方したというケースが多くあった。この運というものをどう生かすか。そこがポイントになる。 例えば今シーズンの阪神だ。序盤の苦しい展開から、よく盛り返して勝率5割前後に浮上した。こうなると運が巡ってくる。それが如実に表れたのが対戦相手のめぐりよ。ここ最近、広島-中日-ヤクルトときた。ハッキリしているのは、力では絶対に阪神が上ということ。このスケジュールのプラスを生かすだけよ。相手はホンマ、ミスの連続。負けようがないわね。勝負は非情なもので、こういうときは徹底的に相手をねじ伏せていくだけよ。 おかげでタイガースは一時貯金ができた。それと同時に、セ・リーグの力関係がハッキリしたのではないか。広島、中日は苦しいし、ヤクルトは戦力的にこれから難しくなる。ということは上位を争うのは3球団。巨人、DeNA、そして阪神。上位と下位の色分けができてくるころ、とオレは判断している。だから阪神は巨人、DeNAとの対戦が重要になる。運を味方につけたあとは、自力でライバル2チームをつぶしにいく。それによって、この先、優勝への道筋が見えてくるに違いない。 ということで今週の話題だが、編集担当のS君は「どうしても藤浪(藤浪晋太郎)投手についてお願いしたいです」とのことやった。藤浪ね~、オレの見方は変わっていない。阪神のカギとなる投手であることは違いない。7月23日の甲子園での広島戦。藤浪は今シーズン初のマウンドに立った。ところがオレには、どうしてもオドオドした風情にしか見えなかった。かつての自信にあふれたフテブテしさが消え、不安げな顔つきが気になって仕方なかった。 送り出すベンチもそう。見守るスタンドのファンもそう。期待はあるけれど、何かコワゴワといった空気が甲子園を包んでいた。 それでも藤浪は5回をゼロで抑えた。2点をリードして勝ち投手の権利を得た。もしオレが監督で、藤浪がルーキーなら、5回で代えたかもしれない。でも、藤浪の立場は今、それではない。続投は当然であり、結果、外国人選手に逆転満塁本塁打を浴びた。 ここで問題です。ホームランを打たれたことがポイントだったのか・・・
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週刊ベースボール