今年も頑張った自分に小さな口福を。スイーツのプロが選ぶ、ミニャルディーズ専門店の推しケーキ
【THEご褒美スイーツ ~知っておきたい通な店~】
「食事と同じくらい、むしろそれ以上にデザートやスイーツにも絶対手を抜きたくない!」と、日々おいしいスイーツを探し求めるスイーツガチ勢の皆さんにお届けする本連載。スイーツの歴史研究のみならず、製菓にも精通するお菓子の歴史研究家・猫井登さんが「これを食べるために出かける価値あり!」と太鼓判を押す、ご褒美スイーツを紹介します。
「UN GRAIN(アン グラン)」
アン グランは、表参道の大通りからちょっと奥まった住宅街の中にひっそりと立つ、隠れ家的なパティスリーだ。正確に言うと、青山通りから骨董通りに入り「南青山六丁目交差点」を過ぎて1つ目の路地を右折したところにある。
道沿いには看板が立っており、階段を3段ほど上ってエントランスへ。奥を覗いても突き当たりの壁が見えるだけ。知らないと入るのにちょっと勇気がいる店構えだ。エントランスの壁には「UN GRAIN」のロゴが刻印されている。通路の突き当たりを右に進むと、洗練されたモダンな空間が目の前に広がる。
UN GRAINとは、フランス語で「一粒の種」の意味を持つ。「一粒の種から大切に育てられた食材を使い、作り手の思いとともに丁寧に仕上げられた一粒のお菓子は、やがてお客様の中で新たな気持ちの種へと生まれ変わります。それぞれのお客様に楽しく幸せなひと時を提案させていただきながら、ゆっくりと大切にUN GRAINという『一粒の種』を育てていきたいという願いを込めて名付けました」とのこと。
南青山のみゆき通り沿いに本店がある洋菓子製造販売会社「ヨックモック」が運営するミニャルディーズ専門店であり、現在は、渡仏経験の豊富なスーシェフの中村匡希(なかむら まさき)氏がお店を牽引している。
店内には、L字形のショーケースが配置されており、入り口より左手に生菓子・パウンドケーキなどの半生菓子が、正面にクッキーなどの焼き菓子が陳列されている。特製のショーケースに陳列されたスイーツは光り輝き、ラグジュアリーなジュエリーショップにいるような感覚だ。