2024年8月に新規上場した「IPO株」2銘柄の投資判断を公開! 直近1年のIPO株の中でも成長性が高い「トライアルHD」と「Japan Eyewear HD」についても解説
2024年8月に新規上場した「IPO株」2銘柄の投資判断と、直近1年に上場した銘柄の中で注目すべき2銘柄を紹介! 【図版】おすすめのIPO銘柄は? ●2024年8月に新規上場した「IPO株」は2銘柄! 例年IPOが少ない時期で、上場した株も初値後は軟調な展開に…… 8月は例年、IPOが少ない。今年も上場は2社のみで、どちらも公募・売出規模10億円未満の小型案件だ。 8月21日に上場したオプロ(228A)は、業務書類をデジタル化する「帳票DX」、金融・行政機関向け電子申請「カミレス」などのクラウドサービスを展開する企業。大手コンサルと関係強化などで大企業の開拓を図る。 取引開始から一定の買いを集め、初値は公開価格を3割近く上回った。ただ、公開前に買った投資家は、2~3割上昇した時点で売りを出す場合も多かったようだ。一般的に、公開価格はフェアバリュー(公正価値)から2~3割ほど割引した水準に設定される。いわゆる“IPOディスカウント”だ。 「ディスカウント分を埋める程度の株価が、上場直後の落ち着きどころとして意識されている感があります。小型IPOは株式需給(売りと買いのバランス)から初値が高騰しやすいのですが、最近はそれ以上に初値を伸ばすことが少なくなりました」(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さん) 一方、8月29日に上場したCross Eホールディングス(231A)は、廃棄物処理施設などの建設・機械設置工事と、ハウステンボスや公共施設の施設管理を手掛ける企業。九州北部を中心に関東以西でも事業展開する。設備の更新や新規投資需要を背景に業績堅調だが、公開価格がやや割高で初値はマイナスに。地方市場の福岡証券取引所(Q-Board)への上場で、買いが入りにくかった。 両銘柄とも初値後の株価は軟調だが、来期業績も視野に入れると、オプロは十分に上値余地がありそうだ。 ●直近1年で上場した87銘柄のうち、中長期で成長が見込める 「トライアルHD」と「Japan Eyewear HD」に注目! 2024年8月のIPO株が2銘柄だけだったので、今回は特別に直近1年(2023年8月~2024年7月)に上場した87銘柄の“その後”を分析。今後、中長期で株価上昇が狙えそうな銘柄を紹介していこう。 期間中の公開価格に対する初値の平均騰落率はプラス33%。前年同期の76%から大きく低下した。また、初値が公開価格の2倍を超えたのは9銘柄にとどまった(1年前時点は33銘柄)。2024年4月以降に上場の銘柄では2倍超になったものがない。 「IPO株への買い意欲が減っているわけではないのですが、明らかに“初値で大幅上昇を狙う”というムードではなくなっています」(小林さん) 初値と8月末の株価の比較で見ると、プラスは3分の1以下の27銘柄。「上昇した銘柄の多くは、やはり上場時点で一定の実績と成長性を備えています。しっかり選んで、素直に実力企業を買うのが得策です」(小林さん) 以下では、小林さんが選んだ、中長期で成長が期待できる実力企業の2銘柄を紹介していこう。 一つ目の銘柄は、九州地盤にディスカウントストアを展開するトライアルホールディングス(141A)だ。 トライアルホールディングスは、いつでも安いEDLP(Everyday Low Price)戦略や“食”の強化で支持を集め、新規出店で店舗網を全国に拡大。またリテールテック(小売×IT)の活用で注目される。業績成長と市場の高評価が続きそうだ。 続いて紹介するのは、鯖江発で人気の高級眼鏡ブランドグループのJapan Eyewear Holdings(5889)だ。 Japan Eyewear Holdingsは「金子眼鏡」「フォーナインズ」ブランドで眼鏡を製造販売。国内客・訪日客の需要が拡大し、フレーム価格改定や新規出店も奏功して業績急伸中。2023年上場組の中でも株価の好調が光る。
ザイ編集部
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