走るステージは山岳部から高層ビルの階段まで! 体力と精神力が要求されるスパルタンな「スカイランニング」の魅力とは
近年、世界中で開催されているのが「スカイランニング」の大会。一般の人には聞きなれないかもしれませんが、アスリートや登山家の間では確実に広がりを見せているスポーツです。このスカイランニングはいつから始まり、「トレイルランニング」とはどう違うのでしょうか? 【写真】スカイランニング競技の特徴をチェックする(全6枚)
頂上への到達時間を競う過酷なスポーツ「スカイランニング」
スカイランニングとは、山岳や超高層ビルの頂上へ到達する時間を競う過酷なスポーツです。世界中で自然発生していたこうしたスポーツを、イタリアの登山家マリーノ・ジャコメッティが1992年に「スカイランニング」と定義。1995年には現在の「国際スカイランニング連盟(ISF)」のベースとなる「高地スポーツ連盟(FSA)」が設立され、1998年には第1回世界選手権も開催されています。 スカイランニングは、垂直距離や標高差を重視。山を走る競技として有名なトレイルランニングはトレイル(未舗装路)を走るスポーツですが、スカイランニングは単に走るというより駆け登る(下る)といった意味合いが強くなります。
山岳種目・雪上種目・階段種目に分かれるスカイランニング
2024年時点で、50以上の国と地域がISFへ加盟しており、世界各地で200以上の公式戦を開催。日本では2013年に日本スカイランニング協会(JSA)が設立され、2014年にISFに正式に加盟しました。2015年には全日本選手権がスタート。現在は全国各地で20以上の公認レースが開催され、参加者は10,000人に上り、大勢の人が苦しい状況を乗り越えた先に見られる絶景に魅了されています。 スカイランニングは大きく分けて山岳種目・雪上種目・階段種目の3種目あります。山岳種目は中距離・高低差1200m以上の「スカイ」と長距離・標高差3000m以上の「スカイウルトラ」、平均20%以上の傾斜がある「バーティカル」の3種類。初心者向けの尾瀬や琵琶湖周辺の山岳、ベテラン勢に人気の富士登山競争などコースは多岐にわたります。 冬季におこなわれる雪上種目「スカイスノー」は、承認されたマイクロクランポンを装着しなければなりません。つま先とかかとの間に10個以上の金属製スパイクがついていることが必須です。