トランプ選挙集会で英バンド、ザ・スミスの楽曲が使われる様子が話題に…ファン層の変化が影響?
非モテから絶大な支持?トランプ氏と親和性あり
マーフィー氏は、最近モリッシーが右翼ナショナリズムと移民排斥に傾斜していることが、理由の一つではないかとしている。しかしそれ以外にも、ザ・スミスが今や「インセル」と呼ばれる人々のコミュニティから支持されていることが、トランプ氏とバンドの親和性を高めていると見ている。 インセルとは、自らを“望んでいるのに恋愛や性的パートナーを得ることに縁遠い者”と定義する人々で、「不本意の禁欲主義者」とも訳される。白人のヘテロ男性に多く、エンタメ・ライフスタイル系サイト、ピンクヴィラによれば、自分の問題を女性嫌悪や怒りへの燃料投下に利用する彼らが、ザ・スミスの楽曲のテーマに共鳴し、バンドの再評価に貢献しているのだという。 マーフィー氏は、ザ・スミスとモリッシーは憤りや自己憐憫の表明には長けていたが、同情を他者に広げる能力に欠けており、このあたりがトランプ氏を思い出させるとしている。楽曲使用の理由は推測の域を出ないが、どうかトランプ陣営が欲しいものを得ませんように、とマーフィー氏は願っている。
文:山川真智子