地震が起きたときに「命を守る行動」。2階にいたらあわてて1階に下りない
緊急地震速報が鳴ったり、小さな揺れを感じたりしたら、まず行いたいのは身の安全の確保。屋内・屋外どちらにいるのか、どんな建物にいるのか、状況別に取るべき行動とポイントを、防災システム研究所所長・山村武彦さんに教えてもらいました。
パターンA:耐震性の低い家にいる場合「危険と思ったら外へ!」
揺れを感じたときに、机の下に隠れることが常に最善とは限りません。耐震性の低い建物は倒壊の恐れがあり、家ごと机がつぶれる場合も。 「倒壊の危険を感じたら外へ脱出を。出入口付近の落下物対策は徹底しましょう」
●<ポイント>2階にいるときはあわてて1階に下りない
家全体の重みがかかる1階は押しつぶされる可能性が高いため、あわてて階下に下りないのがベター。 「2階はつぶれても隙間ができやすく、倒壊しても助かる確率が高まります」
パターンB:耐震性の高い家にいる場合「玄関のドアをあけ揺れが収まるまで待つ」
倒壊のリスクが低い場合は、避難経路を確保しつつ、家の中の落下物のない安全な場所で待機します。 「小さな空間に柱が多く、比較的頑丈で外部との出入り口となる玄関は、多くの家で『安全ゾーン』となります」
●<ポイント>玄関が危険な場合も
玄関が山側に面していて土砂崩れのリスクがある場合は、むしろ危険に。 「家の構造や立地によって、安全な場所はさまざま。『わが家の安全ゾーン』を確保しておきましょう」
パターンC:外出している場合「その場における安全ゾーンに移動する」
店内や地下鉄にいる場合は、落下物がなく棚などが倒れてこない太い柱の陰など、その場における「安全ゾーン」へ移動。その後の避難は係員の指示に従い、群衆のパニックに巻き込まれないようにしましょう。 「屋外にいる場合は、建物から離れるか、安全そうなビルの陰へ移動して」
●<ポイント>海沿いにいるときは揺れが収まったら高台へ
大きな揺れが収まるのを待ち、速やかに高台か4階以上のビルへ避難します。 「津波警報が発表されていなくても、『早く』『高い』場所を目指すことが津波避難の基本です」
●小さな揺れのときにも避難する習慣をつける
発災時、75%の人が茫然として適切な行動を取れないと言われていますが、小さな揺れが起こるたびに安全ゾーンに行くことを習慣にすると、いざというときにも動けます。 「空振りでも、それが命を守る実践的防災訓練になるのです」
ESSE編集部