台北の古跡「北門」、6月から修復に着手 140年前の清代に建設/台湾
(台北中央社)清朝時代に台北府城の門として建設された台北市の国定古跡「北門」の修復工事が6月に始まる。台北府城建設140年を記念した市の事業の一環。22日に北門で開催された関連のイベントに出席した蒋万安(しょうばんあん)台北市長は、台北府城建設から100年以上が経過していることに触れ、台北が100年の栄華を受け継ぎ、「希望の台北」を切り開ければと期待を寄せた。 北門は1884年に落成。承恩門の別名を持つ。台北府城の門は北門の他に東門、西門、南門、小南門が建設されたが、西門は日本統治時代初期に取り壊された。東門、南門、小南門も当初の姿を失っており、原形をとどめているのは北門のみ。 市は台北府城建設140年を記念し、通常は立ち入れない2階部分の開放を事前の申し込み者を対象に始めた。この日は蒋氏や修復を担当する建築士の楊仁江さん、近隣の小学校の児童らが2階部分に上がった。 26年前の修繕にも携わった楊さんは取材に対し、今回の修復では門の基礎から屋根まで全てを改めて検査して手直しをし、現代の工法で建設当時の姿を保存すると説明。2階部分に上がって深く感動したとし、今後も北門の2階部分を開放する方式で再利用し、活性化されればとの考えを示した。その上で、人々が自由に通行することによる破損のリスクはあるものの、空気の流れが生まれることで風雨や虫食いによる木製部分の自然破損を大幅に減少させることができると語った。 修復完了は来年末を予定している。 (陳昱婷、陳亭蓁/編集:田中宏樹)