「脱ドル体制なら関税100%」 トランプ氏、BRICSをけん制
トランプ次期米大統領は30日、中国やロシア、インドなど有力新興国の枠組み「BRICS」加盟国に対し、国際貿易で基軸通貨となっている米ドルの地位を揺るがすような行動に出れば100%の関税を課すと自らが運営するソーシャルメディアに投稿した。加盟国が増え、国際経済での存在感を高めているBRICSによる「脱ドル体制」の動きを、関税引き上げを材料に強くけん制した形だ。 【写真まとめ】トランプ次期政権の人事 主な顔ぶれ(2024年11月現在) トランプ氏は「BRICS諸国がドル離れを進めようとする構想は終わりだ。これらの国に対し、『BRICSの新通貨を作らないし、(基軸通貨の)ドルに代わるいかなる他国通貨も支持しない』との確約を求める」と投稿。「さもなければ彼らは100%の関税に直面し、米国経済に別れを告げることになるだろう」と脅した。 「BRICSが国際貿易でドルに取って代わる可能性はない」とも指摘し、国際貿易決済にドルを利用する「ドル基軸通貨体制」を維持するとの強い姿勢を重ねてアピールした。 ウクライナ侵攻に対する米欧の経済制裁で、ドル主導の国際決済システムから締め出されたロシアは、脱ドル体制を早急に進めたい考え。中国も自国通貨の人民元取引を拡大している。 BRICSは中露印とブラジル、南アフリカ共和国の5カ国で発足。今年1月にはアラブ首長国連邦(UAE)、イラン、エチオピア、エジプトが加わり9カ国の枠組みとなった。人口で世界の約4割、国内総生産(GDP)で世界の約3割を占めている。【ワシントン大久保渉】