リバプール・遠藤、モナコの南野、久保、堂安、三笘...期待に応えたのは? 苦戦したのは? サッカー欧州組「シーズン通信簿」
セルティック(スコットランド)で3年目を迎えた日本代表MF旗手怜央も、期待に応えられなかった日本人選手のひとりに挙げられる。 今シーズンはリーグ戦16試合に出場し、そのうちスタメン出場は12試合。昨シーズンは32試合でスタメン出場は29試合だったので、出場機会は半減したことになる。 また、ゴール数も昨シーズンの6から今シーズンは3ゴールと、こちらも半減。元横浜F・マリノス監督のアンジェ・ポステコグルーがトッテナム(イングランド)の監督として引き抜かれ、今シーズンからブレンダン・ロジャーズ新監督が采配を振ったことも少なからず影響した。 ただ、トップフォームを取り戻せなかった最大の要因は、昨年10月に負った筋肉系のケガが尾を引いてしまったことにあった。ロジャーズ監督からも実力は評価されているだけに、来シーズンはトップフォームをキープすることが期待される。 負傷によって力を発揮できなかったという点では、ブライトン(イングランド)の三笘 薫も同じだった。 昨シーズンは不動の左ウイングとしてリーグ戦33試合に出場し、リーグ戦で7ゴール5アシストを記録した三笘だったが、今シーズンは19試合で3ゴール4アシスト。個人成績を大きく下げてしまう結果となった。 もっとも、トップフォームだったシーズン前半戦の三笘は、申し分のないパフォーマンスを見せていたのも事実。自慢のドリブル突破から数々のチャンスを生み出してゴールとアシストを量産。プレミアリーグ屈指のドリブラーとして昨シーズン以上の評価を集めていた矢先、状況が暗転。原因は、度重なる負傷だ。 昨年11月と12月に2ヵ月連続で負傷を負った三笘は、リハビリを継続しながら日本代表としてアジアカップに参戦すると、なんとか決勝トーナメントの2試合に途中出場。 ところが、日本代表が準々決勝で敗退したことでブライトンに戻ると、その直後にまたしても負傷。結局、その負傷から復帰できないまま、シーズンの約半分を棒に振ることとなってしまった。 もちろん、三笘がどれだけの実力の持ち主なのかは誰もが知るところなので、評価が下がったわけではない。コンディションさえ戻れば、来シーズンはリベンジを果たしてくれるはずだ。 最も厳しい状況に陥ったのは、ドイツに渡って10シーズン目を迎えた33歳の原口元気だろう。 昨シーズンの冬に現在所属するシュトゥットガルトに加入した原口は、即レギュラーに定着して新天地でも順風満帆かと思われた。 ところが、去年4月にセバスティアン・ヘーネス現監督が就任してから序列が低下。加入2年目の今シーズンもリーグ戦の出場はわずか2試合と、ほぼ戦力外という厳しい状況から脱出できないまま、シーズンを終えることとなった。 日本代表としては2018年ロシアW杯に出場し、通算74キャップを誇る原口が、過去9年でこれだけ長い時間をベンチで過ごした経験はなかった。それだけに、今シーズンの状況は屈辱だったに違いない。すでに契約満了によりシュトゥットガルト退団が発表されており、今夏は新天地探しに奔走することになる。 果たして、厳しい状況に立たされている日本人選手たちは、来シーズンにどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。復活に期待したい。 取材・文/中山 淳 写真/アフロ