リバプール・遠藤、モナコの南野、久保、堂安、三笘...期待に応えたのは? 苦戦したのは? サッカー欧州組「シーズン通信簿」
一方、新天地移籍が凶と出て、予想以上の苦戦を強いられたのが、ラツィオ(イタリア)の鎌田大地だった。 問題の端緒は昨夏の移籍マーケットにあり、フランクフルト(ドイツ)でのヨーロッパリーグ優勝を手土産に「加入濃厚」と報じられていた、名門ミランへの移籍交渉が破談に終わったことが不運の始まり。 代わりの移籍先となったラツィオでは、初めてのセリエAの水になじめなかった上、マウリツィオ・サッリ監督のお眼鏡にかなわず出場機会が激減。戦力外に近い扱いを受けるようになると、昨シーズンにあれだけ深めていた自分のプレーに対する自信も失うこととなった。 ただ、鎌田にとって救いとなったのは、今年3月にサッリ監督が成績不振により辞任したことだった。 さらに、後任となったイゴール・トゥドール監督が鎌田の能力を評価してスタメンに抜擢したことで、すべてが好転。シーズン終盤は本来の調子を取り戻し、日本代表メンバーにも復帰を果たすなど、来シーズンに向けた明るい話題も報じられるようになっている。 同じく、新天地で苦戦したのが1000万ユーロ(当時約15億円)の移籍金でオランダの名門フェイエノールトに活躍の場を移した日本代表FW上田綺世だ。 ヨーロッパ初挑戦となった昨シーズンは、ベルギーのサークル・ブルッヘで22ゴールを量産。その実績を買われて移籍した上田だったが、チームのエースストライカーとして君臨するメキシコ代表のサンティアゴ・ヒメネスの牙城を崩せず、開幕からベンチを温める試合が続いた。 途中出場に限られる中、シーズン前半戦で記録したゴールはわずか1。2ゴール目を決めた今年3月のヘーレンフェーン戦まで、約半年にわたってノーゴールの状態が続いた。 希望の光となったのは、シーズンの終盤。チームのチャンピオンズリーグ出場権獲得が確定したこともあり、先発のチャンスを与えられた上田は、その期待に応えて3試合連続ゴールをマーク。 監督のアルネ・スロットは来シーズンからリバプールの監督に就任することが決まっており、来シーズンは上田にとって名誉挽回のチャンスが到来する。それだけに、終盤の活躍ぶりは大きな意味を持つ。